昨夏、宮城県から米澤会長(右)に贈られた「特別県民章」のお披露目。左は司会者の千葉公明さん
 昨夏の「ロサンゼルス七夕まつり」で10回開催の節目を祝った南加宮城県人会は今年度総会と新年親睦会を6日、モンテベロのクワイエット・キャノンで催し、新年の門出を盛大に祝った。今年89歳になる米澤義人会長の27年目続投が決定し、参加者約50人は結束を強め、七夕まつりをいっそう盛り上げることを誓った。

新年の乾杯を行う(左から)南加県人会協議会の副会長ジョージ・ハワードさん、LA七夕まつり実行委員長の撫養真寿美さん、米澤会長、南加日商会頭の川田さん
 新年のあいさつに立った米澤会長は、七夕まつりについて「日系社会の各団体が一緒になれば社会はもっと強くなる」と意欲を示した。「七夕まつりを世界へ広めたい」と夢を抱き、日系社会の外への周知を図っており昨年は、サンファナンドバレー、サンタモニカ、カルバーシティ、パロスバーデス、トーレンス、サンタアナの小学校や幼稚園などでワークショプを開いた。今年は、ワークショップを2月23、24日にアリゾナ・フェニックスの第35回アリゾナ日本祭で、3月17日のハンティントンビーチの第5回桜祭、同24日のサンディエゴのバルボア公園で開くといい協力を求めた。
 地元宮城に甚大な被害をもたらした東日本大震災の義援金71万2千円を昨年、LA七夕まつりを第1回開催から物心両面で支える仙台から参加した白松一郎さんに託し、県庁に送ったことを報告。県人会は2011年の震災発生当初から募金集めを開始し、活動を10年継続することを決めており、米澤会長が8年目の今年も「お願いします」と協力を求めると、会員は大きな拍手で応じた。
LA七夕まつり実行委員長の撫養真寿美さん、米澤会長、南加日商会頭の川田さん
 昨年7月にブラジルの日系移民100周年記念式典の参加のため、県の訪問団がLAに立ち寄った。その際に、米澤会長に米国と県との友好親善に寄与した功績が認められ「特別県民章」がサプライズで贈られ、その賞状と記念の盾が披露され、大きな拍手が贈られた。
 来賓が祝辞を述べ、南加日系商工会議所会頭の川田薫さんは、七夕まつりが始まった当初「1年やって終わりだろう」と冗談っぽく話したが「10回、そしてこれからも続け、みなさんの努力に感謝し、敬意を表したい。『継続は力なり』を思い知った」とたたえた。南加日商は今月27日、役員就任式と地域功労者表彰式を催し席上、米澤会長夫妻を顕彰することを発表すると、会場は沸き今後の活動の励みになることは間違いない。
 二世週祭、LA七夕まつり実行委員会とともに七夕まつりを共催する南加県人会協議会の副会長ジョージ・ハワードさんは、米澤会長夫妻が日系諸団体の方々の会合に顔を出し、七夕まつりにかける熱い思いを伝えていると評価。「七夕という日本文化の継承と、被災地への義援金集めは、県人会協議会の活動の趣旨に合致していて、今後も続けてもらいたい」とエールを送った。
村井嘉浩県知事から届いた新年を祝うビデオメッセージ
 村井嘉浩県知事から届いた新年を祝うビデオメッセージが披露された。昨年の県からの訪米団のLA訪問の際に、県人会員がジャパンハウスの見学に同行し「本県の販路拡大や訪日客の誘致に示唆に富んだ助言をしてもらった」と述べた。また昨年当地で開かれた二つのイベント―大規模な日本食の紹介イベントと、マルカイスーパーマーケットで開かれた東北フェアで、宮城県は県の日本酒や玄米、水産加工品などを紹介した。どちらも県人会員が手伝い「本県の事業や県外事業者への支援、県産品のPR、義援金など、今なおさまざまな形で温かい支援をもらっている」と深謝した。
 知事は、七夕まつりの10回記念に祝意を込め「地域に根付き日系人のみならず米国人に愛されていることは、われわれ宮城県人にとってこれに勝る喜びはない」とし、その普及について「LAだけに留まらず州外に広がっている」と高く評価。「夢や目標に向って挑戦し続ける皆さんの姿は、復興を経て発展期を迎えまい進するわれわれにとっても励みとなり、これからも見習って行き、県民一丸となって精いっぱい頑張りたい」と力を込めた。
 会員の阿部一之さんが、乾杯の音頭をとり昼食へ。食後は、津軽民謡とマジックショーの鑑賞と、空くじなしのラッフル抽選を楽しみ親睦を深めた。
 米澤会長は、今年の抱負として「もちろん、七夕まつりを気を抜かずに一生懸命やりたい。そして1人でも多くの会員を増やして、楽しくやりたい」と述べた。【永田潤、写真も】
新年を祝い、七夕まつりへ結束を強めた宮城県人会のメンバーら

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