片仮名で書かれた言葉はすべて英語かと思いがちだが、日常使われている外来語には英語以外の言葉も多い。アメリカで住んでいると、こうした外来語を英語でなんというか分からず困ることがある。
国別でまずオランダ語から。ステッカーと同義語でつかわれるレッテルの語源はオランダ。英語ではレーベル。英語っぽい響きのピンセットpincetもオランダ語。英語ではtweezers。スポイトspuitもオランダ語。英語ではsyringeもしくはdropper。蘭学として日本に紹介された西洋医学がオランダ語だったせいか、医療関連の名称にはドイツ語とともにオランダ語も多い。
医者の書く診断書のカルテkarteはカードを意味するドイツ語。英語ではmedical records。
『働く』を意味するアルバイトarbeitは、part time job。
お伽話や空想的な話を意味するメルヘン märchanもドイツ語。英語ではfairly tale。
スキー場のゲレンデGelandeは、もとは地形を意味するドイツ語。
日本で山荘をヒュッテと呼ぶが、これも小屋を意味するhütteが語源。他の呼び方もあるが英語ではmountain retreat。
最近ではバックパックとも呼ばれるが、以前はリュックサックと呼ばれていた。これもドイツ語のrucksackだが、発音はリュックザックにちかい。
アンケートはフランス語で、調査の意味のenquéte。 英語ではsurvey。
男性が日常履くものの総称のズボン。語源は不明でフランス語のペチコート、juponがなまってズボンになったという説がある。英語ではpants, trouser, slacksが一般的。
また70年代初頭に流行ったパンタロンも語源はフランスで、長ズボンのこと。英語はbell bottom。
サーカスなどで見かけるピエロ。これもフランス語のpierrotで、英語ではclown。
天ぷらは室町時代に入ってきたもので、ポルトガル語で調味料を意味するtemperoが語源のようだ。
次回は和製英語。【清水一路】