連日雨の週でこの日も足元はぬかるんでいたが、会には87人が参加。 錦友会の重川昭水さん先導により連盟会詩を合吟し、「吟を研く」志を新たにした。
仁田尾新理事長は「前田さんらが決めて取り組んできたことを踏襲し、精いっぱい続けていくのみ」と決意表明。これから2年間の任期を全うすることを誓った。
代表吟詠では、錦友会から斎藤志水さん「大石良雄」、佐藤溟水さん「弘道館に梅花を賞す」、尚道会から土田国明さん「金州城」、大迫国浄さん「岩崎谷の洞に題す」、錦龍会から江夏慶雲さん「暁に高千穂の峰を望む」、新沢鹿龍さん「吟魂」、国風会から中川國修さん「無心」、荒木國漳さん「千島慕情」、国誠会から高橋国洲さん「九段の桜」、西川国順さん「子規を聞く」、国総会から中村総登さん「事に感ず」、金瀬錦雅さん「新年を祝う」が、それぞれ吟じられた。声質や声量、演出方法の違いにより、どの吟詠もすばらしいが印象が全く異なる。共通するのは、日ごろから知識を蓄え、発声のトレーニングや練習を積み上げている点だろう。
会員数最多の錦友会は47人が出席。年齢層も幅広く、入会の目的も会員によってさまざま。同会の丸尾咲水さんは「仕事とは関係ない、人とのつながり」を作ることが入会当初の目的の一つだったという。「そのうちフェードアウトしようかなと思っていたけれど7年経った」と笑う。今では余興のカラオケの進行を任され、同会の吟友の斎藤鮭水さんとコスチュームに身を包んで場を盛り上げるほどに。元副理事の末廣正水さんは「詩吟の会では60代は『若者』です。若い人にどんどん参加してもらいたい」と積極的にアピールした。