さらに初めて身を包んだユニホームに恥じらいを覚えたという。LAのダウンタウンの高層ビル内のオフィスで働く時の普段のビジネススーツとは大きく異なる出で立ち。上半身はヘルメットとプロテクターを装着するもののリーグはかつて「ランジェリー・フットボール」と呼ばれたように、ビキニに限りなく近く「人前に出たくなかった」と、本音を漏らした。
敵のシアトル・ミストは、優勝候補筆頭に挙げられている。試合開始早々からタッチダウンを奪われた。主導権を握られ、展開を変えようと投入されたのがワイドレシーバー濵口だ。第2Q途中からの出場だったが、第1Qでチーム一の俊足で、濵口の逆側の右のレシーバーが負傷で退場したため「テンパって(余裕がなくなり)、頭の中が真っ白になっていた」という。
濵口が早朝5時や6時に出勤するのは、トレーナーを付けることもある夜3、4時間のトレーニングに備えるためだ。負傷選手が嘆いた「この日のために、とてつもない時間とお金をかけて練習してきたのに…」が身にしみて感じ「落ち込んだ」。その交代として右側のレシーバーも命じられたが、練習したことがなかったため、セットプレーを間違うミスを続けざまに犯し「コーチに怒鳴られて2回ベンチに下げられた」
試合は、1度も追いつけないまま19―34で敗れた。デビュー戦について「思ってもいなかったいろんなことが起こって、基本の基本ができなくてプレーに集中できず、少ないチャンスの中で本来の力を発揮できなかった。『波乱万丈』の開幕戦だった」と振り返った。「リーグ初の日本人選手」「新人王候補のレシーバー」などと期待され「大きなプレッシャー」の中で試合に臨み、大勢の観衆が集まった経験したことのないアリーナ独特の雰囲気にも飲まれ「すごく緊張した」
チームメートのけが、グリップが効かないスパイク、不慣れなポジションでのミス続きなど、さまざまな失敗が頭の中をよぎったが収穫もあった。フェンスに囲まれたフィールド内でのプレーは初めてで、今まではライン際を走り抜けることができたが今回、壁までの距離感がつかめず壁際ぎりぎりのボールのキャッチ難しさを知った。また7人制はフィールドが狭いため、運動量は昨季までの11人制より大幅に減り、ペース配分のコツを掴みまた、選手間の距離が詰まってい
応援に訪れた友人や職場の同僚、元チームメートからは「よかったよ」「かっこよかった」などと誉められ、リーグのオーナーからは「最強のチームを相手によくやった。次も頑張れ」と、健闘をたたえられた。励ましの言葉をもらったことで「相手がそんなに強いとは思わなくなり、『こんなものなのか』と思ったら余裕が出てきた」と、次に向けて気持ちを切り替えることができたという。
「やるからには、次は腹をくくって、プレーリストを完璧にし、どんなとっさの出来事にも対応して、プレーに集中したい」
次戦は26日の敵地でのデンバー戦。3戦目は5月17日のホーム。
チケットは、チームのホームページ―
www.lflus.com/latemptation
【永田潤、写真も】