回答者に身振り手振りで伝え、盛り上がったジェスチャーゲーム。大分県人会の三重野祐介さん(中央)は「井戸」を表現
 南カリフォルニアで活動する九つの県人会が集まった初夏恒例の合同ピクニックが2日、トーレンスのウィルソンパークで開かれた。参加者約170人が、バーベキューや各県の郷土料理に舌鼓を打ち、各種ゲームでは童心に帰って興じた。同郷人との親睦はもとより他県出身者と交流を図り盛り上がった。

優勝を目指し白熱したじゃんけんゲーム
 参加した県人会は、石川、茨城、大分、岐阜、佐賀、東京、徳島、長野、宮崎。ピクニックは元々、今年で13回目になる岐阜県人会が催していた。南加県人会協議会会長のハッピー水谷さんが岐阜の会長を務めていた5年ほど前に、協議会の活動で親しくなり交流していた佐賀を皮切りに、年々参加が増え県人会の輪を広げている。
 岐阜の会長の樋田まゆみさんによると、小さな県人会にとってイベントの人集めは、たいへんだという。「大規模の県人会は100人や200人を集めることができるが、小さな県人会は10人くらいで、20人集まればいいところ。でもこうして、小さな県人会が集まれば今日のように170人近い参加者で賑わって楽しむことができる」と強調する。
 樋田さんの説明通り、参加者は出身県に関係なく、子どもから大人までがふれ合った。食べ物は持ち寄る分担を各県人会で決め、サラダからビーフ、チキ
岐阜の名物「五平餅」を焼く岐阜県人会の樋田研二さん(右)と二村健次さん
ン、焼きそば、ホットドッグ、おにぎり、飲み物、デザートなどがテーブルを彩った。ゲームは、靴飛ばし、スイカ割り、ジェスチャー、じゃんけんを行い、賞品を目指して白熱した。
 各県人会の代表が自己紹介を行い、活動状況や母県のPRに努めた。岐阜と同様に他の小さな県人会は、単独ではピクニックを催すのが人手不足で難しかった事情があったとし、合同開催を喜ぶ声が聞かれた。
 樋田さんは、今年は100人ほどの参加を見込んでいたというが「こんなにたくさん来てもらった。口コミでいろんな人が、声をかけて協力してくれうれしい」と喜んだ。「長い間日系社会で暮らしていても、今日初めて会ったことのある人も多くいて新しい出会いができて知り合いになれた人が多く、意義のあるイベントだった」と胸を張った。
 協議会会長の立場から水谷さんは、県人会の状況について、会員の高齢化や会員数の減少による活動縮小の問題を抱えていると説き「今日のイベントに友人に誘われて参加し県人会の存在を知った人も多いので、県人会のPRにもなってよかったと思う」と話した。水谷さんは「各県人会が盛り上がらないと、県人会協議会も盛り上がらない」と力説し「だから、これからも県人会を応援していきたい。今日はそういう意味で、
童心に帰って熱中し、的に目がけて靴飛ばしゲーム
各県人会が大いに盛り上がり、よかった」と語った。
 夏にこの県人会合同のピクニックを催し、秋には県人会対抗のボウリング大会を開くといい、どちらのイベントも同じようなメンバーが参加するという。県人会協議会はまた、来月トーレンスで開かれるブリッジUSA主催の夏祭りにふるさとブースを出す。来場者からアンケートを取り、各人の出身の県人会を紹介し入会を促す。水谷さんは「県人会を若い人に知ってもらい、自分の故郷を思い出して入会してもらって、日系社会全体を盛り上げたい」と、意欲を示した。【永田潤、写真も】
テーブルを彩るさまざまな食べ物を皿に盛る参加者

9県人会が集まり満喫した合同ピクニックの参加者。新たな出会いが生まれ、約170人が交流した

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