名門大学への裏口入学事件をめぐり、マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は13日、女優フェリシティ・ハフマン被告に禁錮14日の実刑判決を言い渡した。今回の事件で親に実刑判決が出たのは初めて。【吉田純子】

 ハフマン被告は人気ドラマ「デスパレートな妻たち」への出演で知られる。同事件は今年3月に発覚。富裕層の親が子どもを有名大学に入学させるため、大学入試コンサルティング会社に多額の金銭を払い、裏口入学をさせていたというもの。
 コンサルティング会社を経営していたウィリアム・シンガー被告は入試担当者に金銭を渡し、得点の水増しや替え玉受験なども行なっていた。さらに顧客の子どもが有名大学のスポーツチームに入れるよう、コーチに賄賂をわたすなどの不正も行なっていた。なかには高校時代にまったくスポーツをしていないにもかかわらずスポーツ推薦で入学していたケースもあった。
 進学先の対象となっていた有名大学には南カリフォルニア大学(USC)やカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、スタンフォード大学、エール大学などが含まれる。
 この事件でハフマン被告をはじめ富裕層の親や、事件に関与したスポーツコーチなど51人が訴追された。
 ハフマン被告は娘の大学受験に際し、長女の大学進学適性試験(SAT)の点数をあげるため、シンガー被告に1万5千ドルを支払っていた。
 ハフマン被告は今年5月に罪を認めており、今回の判決では禁錮14日の実刑判決のほか、3万ドルの罰金と250時間の社会奉仕活動も言い渡された。
 判決の後、ハフマン被告は「大学に入るため毎日懸命に勉学に励んでいる子どもたちと、大変な思いをして彼らを支えている親に謝りたい」との声明文を発表した。
 これまでのところシンガー被告をはじめ不正事件に関与した親15人が有罪を認めている。
 今回の事件で同じく訴追されている女優ロリ・ロックリン被告は、夫とともに、2人の娘を南カリフォルニア大学に入学させるため、シンガー被告に50万ドルを支払っていた疑いが持たれている。ロックリン被告は人気ドラマ「フルハウス」への出演でも知られる。これまでのところ両被告は無罪を主張している。
 今後順次裁判が行われる予定となっている。

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