ロサンゼルスのゲティー美術館に近いセプルベダ・パスで28日、山火事が発生し、同日正午までに少なくとも建物5棟が全焼し、付近の住民に避難命令が発令された。現在、カリフォルニア州各地で山火事が発生しており、当局は警戒を強めている。【吉田純子】
「ゲティー・ファイア」と名付けられた同山火事は同日午前1時半頃、サンセット・ブルバードとフリーウエー#405の西側付近で発生した。
LA市消防局によると、同日午前7時15分までに500エーカーが延焼し、周辺住宅およそ1万世帯に避難命令が出された。
この山火事により、ベルエアをはじめウエストウッド、ブレントウッド周辺のおよそ2600世帯が停電し、山火事が発生したエリア周辺のLA統一学校区の数校と、サンタモニカ・マリブ統一学校区の全校は同日、休校措置をとった。
また同日早朝は、山火事が発生した付近のフリーウエー#405と#101の一部区間で全車線が閉鎖された。
LA市のエリック・ガーセッティー市長によると、山火事の発生原因はこれまでのところ分かっておらず、現在調査が進められている。
加州各地では山火事が猛威をふるっており、ギャビン・ニューサム知事は27日、非常事態を宣言した。
加州北部ソノマ郡のガイザービル北東部で23日に発生した山火事「キンケード・ファイア」では、これまでに5万4298エーカーが延焼し、およそ20万人に避難命令が出された。
風速40〜50マイルの強風により、建物94棟が全焼し、7万9575棟が火の手にさらされ、鎮火は5%にとどまっている。
加州では送電線の不備が原因となって山火事が発生したケースがあることから、電力会社パシフィシック・ガス・アンド・エレクトリック(PG&E)は26日、被害拡大を防ぐため加州北部の36郡を対象に計画停電を実施。230万人に影響が出た。
LA郡北部サンタクラリタのサンド・キャニオン付近で24日に発生した山火事「ティック・ファイア」では4615エーカーが延焼し、建物29棟が全焼、44棟が損壊した。これまでに78%が鎮火し、27日までに避難命令は解除された。
避難所や道路閉鎖に関する最新情報は加州消防局ホームページで―
www.fire.ca.gov