米公演は、大学や日本語補習校など教育機関や、幼稚園、引退者ホーム、ライブハウスなどさまざまな箇所を行脚し、幅広い年齢層から支持を得た。リーダーのスージーさんは「それぞれにバリエーションに富んだお客さんを相手にし、反応もそれぞれ違って楽しかった」と話した。客層に応じて日本の昔ながらの曲やチンドン屋の定番曲、日本のアニメソング、お馴染みの米ポップスを織り交ぜて場を盛り上げ、「子供から年配者まで親しみを感じる」と、国内と同様の好評を得たという。
芸の披露のみならず、大学でのレクチャーでは伝統のチンドン屋の歴史を紹介する役割も担った。江戸時代から続く大衆芸能は文明開化を経てアコーディオンやクラリネットなど洋楽器を取り入れ発展してきたが「ただのステージパフォーマーとは違う」と一線を画し、街頭での広告宣伝の仕事もこなすことを強調して「そういう文化が日本にあることを分かってもらえた」と胸を張る。
日本語学習者や日本文化に興味を持つ生徒は特に真剣に聴き入り関心したという。参加者と一緒に「トザイ、トーザイ…」の宣伝口上を述べたり、「チンドン」を抱えて会場を練り歩く体験をさせ「『楽しかった』『いい経験になった』と言ってもらえた」と喜ぶ。公演後に多くの参加者の記念撮影のリクエストに応えたクラリネット担当のすずこさんは「いろんな人に出会ったが、みなさんとてもフレンドリー。ハグされまくってアメリカにいるんだなと実感した」と話し、参加者とのふれ合いを楽しんだ。