展示した公時は、同会が所有する2台のねぶたうちの1台で、2017年に青森から竹浪比呂央ねぶた師ら職人を招き小東京の青森県人会館で制作した。主人公の坂田公時の幼名は金太郎。その金太郎が大きな鯉を捕まえようとする作品が同展で飾られている。ねぶたには金太郎が成人した公時と並んで黄金の鯉が池の中から勢いよく飛び出しており、展示のテーマにぴったりと合うことから招待を受けた。
ねぶたは広場の真ん中に展示され、来館者が囲んで写真を撮るなどした。各パフォーマンスでは約300人が見物し、太鼓と笛、鉦の音とともにハネトが飛び跳ね、本番さながらの熱のこもった演技を披露した。「ラッセラー」の掛け声に、観衆も応えて叫んだり、釣られた子供たちが跳ね出し盛り上がった。
イングルウッドに住むマック、キャロリン・ビロップスさん夫妻は、日本美術展を鑑賞した後に、ねぶたの展示について知ったという。マックさんは「初めてねぶたを目にし、色使いがとても芸術的で感動した。大きな太鼓の演奏も素晴らしかった」と話した。キャロリンさんは「ハネトのドレスが、とてもカラフルできれいだった。ヘッドピース(笠)の飾りが美しく気に入った」と語った。ねぶたは夜に映えると説明を受けたため「ハリウッドパレードを絶対見に行く。ねぶたが光り輝いて今度は動いてる姿を見るのを楽しみにしたい」と口を揃えた。
LA囃子保存会のハリウッド・パレード参加は、今年で5回目。今年は、2015年に青森県人会館で制作した「義経」を運行する。始点の道路に張りつめられたレッドカーペットを通り3・2マイルのルートを練り歩き、10万人を超える観衆の前で日本の伝統文化を披露する。保存会の100人以上のメンバーに加え、青森と東京各所のねぶた会のメンバーが約50人が囃子とハネトとして約参加し交流を深める。青森からは青森市と六つの大学、商工会議所で構成する「青森市産官学連携プラットフォーム」とLA囃子保存会と交流するねぶた会の「菱友会」の各メンバーが含まれる。
ねぶたの運行には、ボランティアを必要とし、フロートと太鼓、音響機材の各台車の引き手と、その他のスタッフを募っている。また、ねぶたの回りで「ラッセラー」と叫びながら元気に跳ね、囃子とともに盛り上げるハネトを募集している。
ねぶたのボランティアとハネトの登録は、ホームページ―
www.lanebuta.com
【永田潤、写真も】
竹浪先生にお供して、2007年のねぶた初遠征以来、LAねぶたの制作を見に行っております。LAの皆様のご努力で年2回のパレードが定着し、盛大に発展した様子を知り感無量です。今後の御発展を期待しております。なお、竹浪先生のお名前は「比呂央」です。