自然界には希少価値が高く同時に美しさも兼ね備えたものが幾つかある。誰もがうなずくものでは金、プラチナ、ダイヤモンドといった貴金属や宝石類だ。この希少価値と美しさのふたつの特性はその純度に関しても同様だ。24カラットの金は18カラットの金より色の美しさで多くの人を魅了するだろうし、希少価値も高く通常高額だ。また酸化や水分によるさびも純度の高さに反比例する。
 アクセサリー以外の用途ではメダルやコインなどに使われるが、コンピューターや携帯電話機の部品としても使用されている。金、プラチナ、ダイヤモンドは他の同類の物質に比べ美しさ以外でも優位性を兼ね備え、工業用の加工用機器や素材として使われている。ダイヤモンドはその硬さ故にガラスを切る道具に使われることはよく知られている。レコードプレーヤーの針にも使われ、その材質の中で最上位だ。
 音楽CDの記録部分には通常アルミニウムが使用されているが、さびを受け付けないこととその表面の滑らかさが記録される内容にも影響する、ということで金が使用され、高音質盤として販売されている。あまり数を持っていないので断定できないが、音質の差が決定的に向上したと思えるCDにはまだ出合っていない。ただ音跳びをするようになった古いプレイヤーでかけた際に、ゴールドCDではその頻度が減ることは経験している。さびないということからアルミのCDに比べ、経年劣化などで使用不能になる確率も低いようだ。なお金自体はさびることはないが、混入している不純物はさびる。
 プラチナは触媒の活性が高いだけでなく耐久性にも優れていることで、自動車の排出ガス浄化やスパークプラグにも使われている。
 プラスティックやガラスなどから人工真珠や種々のアクセサリー類が作られるが、最近は見た目にも本物と見分けがつきにくいものが多い。ただほとんどの場合経年劣化が本物より早いものが多く、一過性のものには向くが長く使うものは手が届けば本物を選びたい。
 偽物、本物ともにその特性で使い分ければよいが、ギフトなどで女性の気持ちを射止める際にはやっぱり本物だろう。【清水一路】

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