カリフォルニア州の再開へ4段階の指針を示すニューサム知事
 カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は28日、カリフォルニアの学校とビジネスを再開するための4段階の計画を発表した。
 知事は「慎重ながらも楽観主義で」いく方針を発表し、数週間以内に州全体の外出自粛を徐々に緩和することを目指す。州経済を再開するための4段階のアプローチについて以下のように概説した。

 ▽ステージ1(現在の段階)
 エッセンシャル・ビジネスの従事者以外は家で過ごす。
 ▽ステージ2(低リスクの職場の再開)
・製造業(おもちゃ、家具、衣服など)
・学校
・児童保育施設
・小売店(街頭ピックアップのみ)
・在宅勤務ができない事務所(従業員の感染防止策必要)
・公共スペース
 ▽ステージ3(高リスクの職場の再開)
・美容院
・ネイルサロン
・ジム
・映画館
・無観客でのスポーツイベント
・個別の宗教サービス(教会や結婚式)
 ▽ステージ4(外出禁止措置の完全解除)
・コンサート
・コンベンションセンター
・スポーツイベント
 知事は現在、病院の収容能力と医療従事者の保護用品の供給を強化する段階にあり、再開後の雇用主が従業員の感染防止の適切な保護を供給できるようガイドラインを策定していると言い、再開の計画は始動していると話したが、同時に、「私はすべての人に注意を喚起したい。もし感染抑制の努力を止めて、一気に再開をしたら、次の感染の波が始まる可能性がある。これまでの努力をすべて水の泡とし、第1波よも損傷が大きくなるだろう。ウイルスはなくならず、その伝染力は依然として強く、依然として深刻だ」と述べた。「政治にも、抗議にも、再開の意思決定を後押しさせるつもりはない。科学、データ、公衆衛生にのみ基づいて決定を行う」と考えを示した。
 週末にオレンジ郡のビーチに大勢の人々が押し掛けた映像は、コロナウイルスのパンデミックの最中に「見るべきでないこと」と「すべきでないこと」の例であると述べた知事は、州の経済が再開する時期や、広範な規制が解除される時期についての具体的なタイムラインは提示しなかった。
 これまでに州が発表した再開への六つの指針は以下の通り。
 ⑴コロナウイルス検査能力の拡大
 ⑵最も脆弱な住民層を感染から守る確率
 ⑶患者の急増を管理し、病院のインフラストラクチャの開発と個人用保護具(PPE)の確保
 ⑷治療法、治療薬の開発
 ⑸人と人との物理的な距離を考慮して、事業所、学校、保育施設での新しい「間取り図」を再作成する
 ⑹外出自粛などの特定の発令をいつ再設定するかを決定する
 6段階計画の5番目のポイントに、企業、学校、および保育施設の青写真の作成が挙げられている。
 学校について、知事は次学期の始業時期を早めて7月末か8月初旬に開始する案があるとしたが、再開は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための修正をした上でのこととなると話した。現在、ほとんどの学校が閉鎖している中で、子供が遠隔学習をするのに必要なコンピューターやインタンーネットがない家庭があり、学習の損失や格差が懸念されている。今後、再開後の青写真に向けて教育関係者が話し合い、郡内の80学区が安全に再開するためのガイドラインを策定する。再開後の学校は、例えば、時間差通学や集団を作らない時間割の工夫、遠足の禁止など、これまでとは根本的に異なる学校生活になる可能性があると思われる。
 また、職場については、体調が優れない時は無理に出勤しないようにする給与保障の仕組みなどが必要、とした。【長井智子】

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