「1カ月くらいの自主隔離が出来なくてどうする」などと強がっているうちに早くも3カ月。
 少しずつ規制が緩められてロックダウン解除の第3段階に入って、バーやレストランに制限付きで開業許可が出た途端に、季節は春を飛び越えて初夏となり気温は上昇、車も人出も正常(?)に戻りつつある。
 職場がいまだに全開されないので、勤務時間に縛られない在宅勤務の恩恵で自由時間が増え、筋肉が落ちて弱っていた脚のリハビリを兼ねた散歩の時間が取れるのは唯一有り難い。
 散歩のコースは自分の年齢も考慮して、カブスの野球場の周りを2周することにきめた。1周が10ブロックで約1マイル。2マイル強を約35分、早足で歩くと、うっすらと汗をかき、息が少し弾む。これが自分に課した1日のノルマ。
 ところが今日はその散歩で出会った人で、マスクを着用していた人はたった3人。もう緊張感などあったものではない。顎までマスクをずり下げた人を何人も見かけたが、どうやら顎でしゃべったり、くしゃみや咳をする(?)らしい。
 公園では6フィートのソーシャル・ディスタンスなどまったく無視した若者たちが飲み物や携帯電話を片手に体をぶつけ合ってふざけている。
 イリノイでは、やっと感染者や死者の数が下降し始めたばかりだというのに、木桶ではないがタガが緩み始めるとバラバラになるのに時間はかからない。
 こちら健気なシニアは、マスクの下で汗をかきながら、すれ違う人と6フィートの距離を保ち、クソが付くほど真面目に規制を守ってウイルスの拡散防止に努力しているんですがね。
 ただし家に帰ると、冷蔵庫と6フィートの距離を保つのが困難で、コロナ・ファットとの帳尻あわせには苦労しそうだ。毎日マメに料理をする時間があるのも災いして、1日2マイルの散歩だけでは消化しきれない脂肪の蓄積は、思ったより早い。
 いろいろなドラマを生み多くの命を奪ったコロナ・パンデミックは、時間はかかってもいずれ人智が征服してくれると信じている。
 それまで元気に生き延びて、「もう1度訪日を」の夢を実現したいものである。【川口加代子】

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