モンロビア消防本部の後方の山からの火災による黒煙が確認できる
 8日午前までに8500エーカーに燃え広がり、サンタアナ風の影響でさらなる延焼が懸念されるボブキャット火災で、モンロビア地域の一部住民に対し7日夜、避難警告が出された。

 ロサンゼルスの国有林管理局、郡消防局、郡保安局とモンロビア消防局の統一司令部は、急速に火災が広がっているため、近辺の住民に避難の準備をするよう指示した。現在のところまだ避難命令は出ていない。
 準備として、避難計画を立て、緊急避難用の備品を整理し、必需を簡単に持ち出せるようにしておく。車両は満タンまで給油し、私道からすぐに出られるように前向きに駐車しておく—などを挙げている。
 避難命令が出されたら住民は家族やペットをすばやく集め、指定された避難場所または地域外の家族や友人などの家に移動しなければならない。準備行動の遅れは消防隊の鎮火活動を妨げ、住民と隊員を危険にさらすことにつながるため、速やかに準備を開始するよう指示している。
 また、家畜や大型の動物を飼育している場合は、すぐに移動を始めるようにと指示している。ポモナフェアグラウンドとサンタアニタ競馬場に動物の預かり施設が用意されている。
 避難に関する準備を含めた情報を提供する「READY SET GO」と題された情報ページは、避難勧告の出ていない地域に住む人も、森林火災の時の心構えを知る手掛かりとして有益である。
 fire.lacounty.gov/rsg/
 その他の火災情報は次の通り。
 www.lacounty.gov/emergency
 lnciweb inciweb.nwcg.govで「bobcat」を検索
 エンゼルス国有森林Facebookページ:@angelesnationalforest
 エンゼルスのTwitterページ @angeles_NF
 また、ボブキャット火災が原因の大気汚染で大気の状態が不健康な地域が広がっており、郡公衆衛生局は8日午前に勧告を出し、煙害に注意を促した。
 大気汚染地域は東・西・南のサンゲーブルバレー各地域、ポモナウォルナットバレー、サンゲーブルバレー山脈、ロサンゼルス中心部、LA郡サウスイーストとサウスセントラルの両地域。
 「煙、灰、すすがどこに移動するか、風が空気中のこれらの粒子のレベルにどのように影響するのかを予測するのは難しいが、煙と灰が健康に害を及ぼす可能性があることを覚えておいてほしい」と郡保健担当官ミュンツ・デービス博士は述べている。「煙、すす、または灰が見える、またはにおいがする場合は、身の回りの環境に注意を払い、安全策を講じること。子供、高齢者、心臓や肺の病気を持つ人々にとって特に重要だ」としている。

火災地域と避難警告地域を知らせる郡のライブ情報では緊急事態の地図が掲載されている
 不必要な屋外への露出を避ける、屋内外の運動を制限することが予防措置になる。心臓病、喘息、その他の慢性呼吸器疾患など、空気の質に敏感な子供や大人は特に推奨事項に従い、煙、すす、灰を感じない場所でも可能な限り屋内にとどまるのが望ましい。健康状態が悪化した場合は、ただちに医師に連絡して助言を求めるか、911に電話をすること。
 山火事の煙は細かい粒子、ガス、および水蒸気の混合物だが、粒子が細かいことが主要な健康問題を引き起こす原因になる。焼けるような目の痛み、鼻水、喉のかゆみ、頭痛、気管支炎などの病気の症状、呼吸困難、喘鳴、咳、疲労、胸痛などを引き起こす可能性がある。
 デービス博士は「煙の影響を受ける地域で開催中のデイキャンプで、ハイキングやピクニックなどの屋外のレクリエーション活動は、状況が改善するまで一時停止すること」も推奨している。
 煙、すす、灰が見える場所では、屋外から空気を取り入れない空調設備があり、窓やドアが閉まっていれば、室内の空気を清潔に保つことができるが、それ以外は全員が戸外に居るのと同じと考え、以下のガイドラインに従うことが推奨される。
 不健康なレベル、または不十分なレベルの空気の有害な影響から自分と家族を保護するのに役立つガイドラインは以下の通り。
 ・煙が見える、臭いがする、空気中に粒子や灰がたくさんある場合は、有害な空気への接触を制限するために、不必要な屋外活動を避ける。心臓または肺疾患(喘息を含む)のある人、高齢者、子供にとって特に重要。
 ・外気の質が悪い場合は、窓やドアを閉め、室内の空気をできるだけきれいに保つようにする。家庭内の空気を再循環させるエアコンは、有害な粒子を取り除くのに役立つ。
 ・外部から空気を取り込むだけの、または再循環オプションのない空調ユニットの使用は避ける。エアコンのフィルターをチェックし、定期的に交換する必要がある。HEPAフィルターを備えた室内空気濾過装置は、室内を循環する粒子のレベルをさらに低減させる。
 ・日中は暑すぎてドアや窓を閉めておくことができない場合は、クーリングセンターなどの空調された場所に行くことを検討して、涼しく保つと共に有害な空気から身を守る。
 ・暖炉(薪またはガス)、キャンドル、掃除機は使用しない。湿った布を使用して、ほこりの多い屋内の表面を掃除する。喫煙をしない。
 ・重度の咳、息切れまたは呼吸困難、喘鳴、胸部の圧迫感または痛み、動悸、吐き気または異常な疲労、立ちくらみ、煙に関連する可能性がある肺または心臓病の症状がある場合は、すぐに医師に連絡するか、緊急ケアセンターに向かう。生命にかかわる場合は、911に連絡する。
 ・煙が長時間続く場合、目に見えなくても室内で微粒子が蓄積されることがあるので注意する。マスクは大きな粒子への露出を防ぐことはできても、ほとんどのマスクは健康被害により大きく影響する微粒子と有毒ガスに対しては効果がない。
 ・ペットは夜間に屋外に放置しない。屋内のガレージや室内に入れ、犬や猫が呼吸困難に陥っているように見える場合は、すぐに動物病院に連れて行く必要がある。犬の呼吸困難の症状には、息切れや息を止められないなどがある。猫の症状はそれほど目立たないが、同様の症状示すことがある。
 ・火災が終息したら、室内の安全な清掃を実施する。灰の掃除方法とと食品安全の指示は以下のウェブサイトから確認できる。  
 http://publichealth.lacounty.gov/media/docs/ReturningHomeAfterAFire.pdf
【訳=長井智子】

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