昨年4月のシンポジウムで和気あいあいの参加者。前列左から登壇者のゴスペル音楽プロデューサー打木希謡子さん、俳優のヨシ天尾さん、コメディアンの岩佐麻里子さん
歌手、ミュージシャン、ダンサー、俳優とジャンルは違っても、アメリカンドリームを追う日本人アーティストが米国で活動をしようとする時、彼らが通らねばならない道はおしなべて同じである。査証を取得し、キャリアを積み、プロとして生計を立てるまで、計り知れない努力、忍耐と時間を費やす。そして、志半ばで母国へ戻る者たちも後を絶たない。クーパは「日本」をキーワードに、芸能分野の若手育成と、文化・芸術・エンターテインメントによる日米交流を通して、より良い社会作りを目指している。
昨年は、Jポップのシンガーソングライターやコンテンポラリー・ダンサー、箏奏者、書道パフォーマーを集めたショーケース、アーティストとプロデューサーを集めたシンポジウム、身体障害者支援団体への寄付を目的としたジャズコンサート、着物ショップの一画を利用した友禅和紙アート展、書道展、さらには英語の作詞ワークショップまでと、幅広い活動をした。今年は年頭のGALAコンサートで日米の声楽家と台湾のピアニストが集まり、国際色も深まって日本人以外にもアピールした。だが、こうしてまさに軌道に乗り始めた時に、新型コロナウイルスで全てのイベントが延期・中止となり、アーティストたちの活動が麻痺してしまった。その状況は今も続いている。
8月にはオンラインセミナー第2弾として、移民弁護士を招きアーティスト査証に焦点を当てた「アーティストのためのVISAセミナー」を無料で実施した。ニューヨークに事務所を構えるマイケル・ダン弁護士は、よどみない日本語でアーティストのためのビザの種類や取得条件などを解説した。45人の参加者が各地からログインした。ウェビナーを終えて、クーパの平川美代子理事は「コロナ禍で、われわれに何ができるかを考えた時に、ビザはアーティストが今もっとも必要としている情報のひとつと思われた。ウェビナー上で、専門家から移民ビザの申請状況などをリアルタイムで伝えることができた。参加者の生の声を取り上げた質疑応答も行い、有意義なセミナーになった」と述べた。質問者からは、「コロナで公演の仕事がなくなってしまったがビザを継続するにはどうしたら良いか」といった切実な状況が伝わってきた。
「米国で道を切り開いてきてくださった日本人の先輩たちに恩返ししたいという気持ちが常々あった。年配の方々の心安らぐひと時を若いアーティストたちの力で作っていけたら、それは福祉活動にもつながり、コミュニティー作りへの貢献にもなると思う。パフォーミングアートを推奨するクーパが、そんな役割を担っていけたら嬉しい」と、副代表の河野洋さん。「パンデミックという逆境でもポジティブな流れを作り出すことは可能だと信じている」と、オンラインライブへの抱負を語った。
育成、支援にとどまらず、パフォーマンス・アーティストに焦点を置いた広範囲かつユニークな活動を提供するクーパは、団体創設代表をライフアドバイザーの本木祐子さん、副代表にイベントプロデューサーの河野洋さん(Mar Creation, Inc.社長)、書記はダンス・スクール主宰の平川美代子さん(TMH Dance, LLC.代表)が務めている。今後の活動予定はソーシャルメディア、公式ウェブサイトなどで確認できる。
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