2月に前住職が引退してから5カ月休止されていた日曜礼拝や祥月法要を、着任を機にズームとYouTubeで再開し、さらにダルマセンターの新設、お寺の修復、11月の寺院昇格70周年記念への準備と、新しいプロジェクトを進める忙しい毎日を送っている。
米国各地での経験をもつ高田師にその違いや西羅府の印象を聞くと、ハワイや小東京では日本の先祖崇拝を意識するメンバーが多いのに比べて、「アリゾナのお寺では自分がみ教えをいただくことを意識するメンバーが多かった」と述べ、「パンデミックのためバーチャル以外では人に会えない状況が続いているが」と前置きしながら、「西羅府もアリゾナに似た傾向という印象」を持っていると話す。
閉寺期間中、自分たちの寺院での礼拝を心待ちにしながら系列寺院のオンライン礼拝に参加するなどしていたお寺のメンバーは、再開の喜びを表す。現在仏教婦人会の会長で、同仏教会の理事長も務めたビバリー・ヤハタさんは「高田住職のおかげでお寺が生気を取り戻したことに感謝している」と着任を歓迎し、「お寺の課題は若い人をお寺に呼び戻し、年々減っている会員数を取り戻すこと。どこのお寺でも同じ課題に悩んでいる。その点でも高田住職のダルマセンターに期待している」と話した。
8月2日に同寺院の新体制を紹介したマービン原田米国仏教団総長は、「高田師の経験とバイリンガルの能力、梅津師の若い情熱が、西羅府に素晴らしい結果をもたらすことになる」と話し、「これまで他のどこのお寺にもなかった新しく、創造的で革新的な方法で、伝道を強化する機会になる」と期待を寄せた。
ダルマセンターが主催するイベントとして、戦前戦後を経験した「静かなる世代(サイレントジェネレーション)」と表現される3人のシニアと、「ミレニアル世代」「Z世代」と表現される3人の若者による無料ウェビナー「仏教が如何にして私を70年以上にわたって支えてきたか」を、11月1日(日)午前11時から開催する。
西羅府仏教会の新体制で、地域の日系コミュニティーに新たな活力が生まれることが期待できる。【長井智子、写真も】