コロナと闘う医療従者に敬意を表とともにアジア系へのヘイトクライムに抗議する織物のアート作品
 コロナ禍で休館していた全米日系人博物館(JANM)が4月16日(金)から一般に再開館する。会員には9〜11日に先行で開館する。また昨今急速に増加・悪化しているアジア系に対するヘイトクライムを受け、日系人の歴史を伝えることで米国の民族や文化の多様性を伝える同館の果たすべき役割を考え当面、入館料は無料となる。

 アン・バロウズ館長兼CEOは「JANMは常に、地元のコミュニティーや国内外からの訪問者が集い、考え、学び、祝うことのできる活気ある空間であり続けてきた。このたび当館は再開館し、私たちのミッションにとって非常に重要である、物理的なつながりを再構築する準備を整えた。この数週間、アジア系のコミュニティーに対する人種差別や暴力の高まりが常に私たちの念頭にある。傷を癒やし、再生の場としてJANMを提供することは、当館が今、提供できる最も重要な役割の一つだと考えている」と述べている。

タイジ・テラサキによる現代美術展「トランセンディエンツ ボーダーのヒーローたち」
 再開館にあたり、常設展「コモン・グラウンド・コミュニティーの心」に加えて、タイジ・テラサキによる現代美術展「トランセンディエンツ ボーダーのヒーローたち」を開催する。同展は現実に存在するボーダーと目には見えないボーダーの両方で、差別や偏見、不平等に直面する人たちを助け、彼らのために闘うヒーローを紹介する展覧会。同展は人種や階級の問題から、食のサステナビリティー、アート、科学的革新、気候変動への適応までさまざまなストーリーを伝える、パンデミック中に作られた織物のアート作品「トランセンディエンツ COVID・19の100日と医療従事者へのメモリアル」を追加している。
 ▽新たな開館時間と来館のルールは次の通り。
・金〜日曜日の午前11時〜午後5時(最終入館午後4時)。月〜木曜日は休館。
・入館には日時指定チケットが必要。janm.org/ticketsから予約する。
・3歳以上は館内では常時フェイスマスクを着用。
・他の来館者と十分な距離を空ける。
・入館時に非接触体温測定システムで検温。
・期間限定で入館料を無料とする。ただし入場者数の制限のため、入場には事前予約チケットが必要で、予約なしでの入館は受け付けない。4月9日〜11日は同館会員限定の開館日となる。
 同館は、暖房、換気、空調システムのアップグレード、一方通行ルートの設置、清掃頻度の増加、来館者数制限、水飲み場の利用停止(ギャラリー以外ではウォーターボトルからの飲用は可能)など、来館者と職員全員の安全を守るための新たな手順と手続きを導入した。

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