やっと実家のある緑鮮やかな岩手に来て3週間。LAでの生活は普通に戻りつつあるというのに、県庁所在地や都市部ではコロナ感染のクラスターが発生してまだ安心できない。県北の田舎町では、みなマスクは着用しているが、それ以外は普通の生活といえる。岩手で感染者が出たのが遅く、油断があったのではないかと思う。ワクチン接種も打ち手不足で遅れていたが、月末までには町内の高齢者は1回目の接種を終えられるようになった。父の通院に付いていった県立病院では、40〜50人が距離をとることもなく待っていた。コロナ感染者が出ているわけでもないので、まあいいか。LAの電話対応のドクターオフィスを思えば雲泥の差。
 ただ、人の流れには気を付けている。子供や孫が関東地方に仕事や学校に出て行っている人たちは、全く帰ってきていない。たまに帰った人は、風呂場に直行して洗い流してから家族に会うとか、かなり注意している。そんな中に帰ってきて村八分を心配しないではなかったが、予想に反して寛容でありがたかった。町内会の清掃作業にも参加して、たくさんの知り合いに会ったが、皆から「よく来た!」「久しぶり!」「フキを取っていって食べたらいい」などと温かく対応してもらえた。清掃作業も川沿いの草刈りをしたが、紙くず一つ、ペットボトル1本なく草を刈るだけで良かった。掃いたそばからごみを散らされるLAとは大違い。カッコーやウグイスの鳴き声を聞きながらの作業は気持ちがいい。
 役所はアクリル板はあるものの普通に対応している。学校はもちろん対面授業だし、スポーツ行事も観戦者がいて行われている。公民館の文化クラスやイベントも消毒と距離をとって開催。高齢者施設の入居者にも感染者がいない所からの面会は認められている。
 心配してきた両親は、耳が全く聞こえない父だが、社会情勢も天気予報も目からの判断で「今日は熱中症にならないように早く帰ってこよう」と言って畑に出かける。シベリア抑留についても詳しく話を聞いている。母は予想どおり認知症が進んでいた。体は動くが、遠くまでは歩けないようなので徘徊(はいかい)の心配はないが、今後の変化が気になる。【大石克子】磁針

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