日本の生活を始めて一つ驚いたのは、いわゆるスーパーマーケットの規模の大きさと食料品や食材の多彩さと豊富さだった。
米国から日本に旅行していた頃は宿泊するホテルの近辺によくあるコンビニで日用品のちょっとした買い物をして済んでいた。コンビニは旅行者の日常の買い物には便利だった。だが住んで生活を始めるとコンビニはたくさんあるが規模が小さく品種も品数も少ないので行かなくなる。勤め人たちが昼のちょっとしたランチや飲み物を買うのに便利で使っているが、コンビニは生活者の買い物には品種の選択肢が小さいからもう行かず、大型のスーパー(日本の呼び方)に行くようになる。
日本のスーパーは小規模だろうと勝手に思っていたら、規模が大きいのにまず驚いた。わが家からはどのスーパーも普通に歩いて行く。行くのは主に成城石井や小田急OXという店で、とにかく食材が野菜や果物であれ魚であれ季節の旬を集めた品種の豊富さと旨そうな新鮮さが魅力だ。例えば魚でいえば築地マグロ専門店からのまぐろ、鹿児島県奄美大島産まぐろ、長崎県五島列島産まぐろ、他に対馬のあじ、とか何処そこの何という風に並ぶ。各地の特産品も「味覚往来、東海道、津々浦々旨いもん巡りの旅」などのうたい文句で地方の直送品がずらっと並ぶ。生食材とは別に料理した食品も実に多彩な食品がいいサイズでおいしそうに陳列され食欲をそそる。
さらに少し歩いた所にあるサミットというスーパーのデカさには初めビックリした。米国でもラルフスなどに特に広い店があるがそれよりも広いくらい。写真を撮ろうとしたら画面に入らず撮れなかった。
このスーパーは50年以上前に日本資本が米国大手スーパーと提携して始まったようだが国内の反対圧力の強さに米資本はすぐに進出を断念し、以来日本資本だけで経営し店舗を増やしている。超大型のフロア全面に食品と食材がいっぱいに広がっている。これがまたうまそうに見える物ばかりで、毎日食べていっても一年ではとても食べ切れない規模だ。世界のスーパーを見たが日本のはすごい。食べ物にうるさい日本人が作った文化と思う。【半田俊夫】