長引く新型コロナウイルスのパンデミック。各国の感染状況を見ると元の生活に戻るまで、まだまだ忍耐を要するようだ。
 東京五輪・パラの延期をはじめ、スポーツ界も大きな打撃を被っている。国外でプレーする日本人選手は困難な中でも奮闘し、度重なる天災に見舞われる日本に明るい話題を提供し、元気を与えている。
 テニスでは錦織が、けがからの復帰を期した全米オープン直前にコロナに感染し欠場せざるを得なかったが、錦織の無念を晴らすかのように、大坂なおみは勝ちまくって決勝に進んでくれた。2年ぶりの優勝へ向け、決戦が楽しみ。
 大リーグでは、投手の活躍が目立つ。絶好調で先月に月間MVPに輝いたダルビッシュは、サイ・ヤング賞の呼び声が高い。先発マウンドを求め、ドジャースから移籍した前田は新天地でノーヒッターに迫る快投を見せるなど、昨年とは見違えるような好投を続け、LAを去った際に悲しんだマエケンファンも喜んでいることだろう。
 一方、大谷、筒香、秋山の3人のバットから快音はなかなか聞くことができず、打率は2割台前後。今季の大谷には2年ぶりの投打の二刀流の活躍に注目が集まったものの、ひじに違和感を覚え、わずか2試合の登板に終わり、再び打者に専念することになった。同じ手術を受けたダルが、本来の調子を取り戻すまでに2、3年かかったように、長い目で見守りたい。
 大リーグは100試合以上も削られたため、開幕からわずか2カ月半で早くも終盤戦に入ろうとしている。約20試合を残す9月中旬は、ペナントレースが佳境に入り応援に熱が入るが、どうやら無観客試合のままでシーズンを終えそう。これだけは、しょうがない。
 うれしいことは、われらドジャースが快進撃を続けている。30勝到達は、一番乗り。32年ぶりのワールドシリーズ制覇へLA市民の期待は高まる。だが、大谷のエンゼルスは投打がかみ合わず下位に低迷。消化試合をたんたんとこなさなければならず見るのがつらい。
 数に制限なく超満員の観客が、選手を盛り上げる光景を早く見てみたい。もちろん、東京五輪・パラでも。【永田 潤】

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