顧問のマック宮崎さんの音頭で乾杯する来賓ら。左からアル・ムラツチ加州下院議員夫妻、ジョージ・ハワード会長、ジェフ山﨑・南加日系商工会議所会頭、ベバリー・イトウKeiro代表兼CEO

 南カリフォルニアで活動する36の県人会が加盟する南加県人会協議会はこのほど、今年度の役員就任式と親睦会をモンテベロのクワイエットキャノンで催した。新しく就任したジョージ・ハワード会長(南加出身、群馬県人会)は、日本文化の継承を軸とする活動を推し進める意思を示した。

新任のあいさつに立つジョージ・ハワード新会長

 参加者約130人が見守る中、役員が登壇し宣誓式に臨んだ。弁護士のパトリシア・キナガさんの立ち合いの下、任務を全うすることを誓い、ハワード会長以下11人の新役員が承認され正式に就任した。会場からは、期待を込めた大きな拍手が送られた。
 来賓を代表し、県人会協議会名誉会長の室田幸靖総領事とジェフ山﨑・南加日系商工会議所会頭、アル・ムラツチ加州下院議員が祝辞を贈った。3氏は、県人会協議会の活動を称賛し、協議会と新役員の前途を祝した。
 県人会協議会の発展に貢献した大谷喜平(昨年度会長)、阿岸明子(2019〜25年副会長)、ジョージ・ハワード(20〜25年書記)の3氏を表彰し、表彰状と記念の盾が贈られた。
 恒例の「各県の紹介」では、名物の食べ物をお国言葉とジェスチャーを使って30秒以内で紹介した。和牛や刺し身、ブランド米、高級フルーツ、野菜、ラーメン、ビール、デザートなどを取り上げ、おいしさやおいしい食べ方を伝えたが、県人会の多くが当地で行われる県主催の物産展を手伝っていることから、セールスは慣れたもの。「ぜひ、最寄りの日系スーパーで買ってください」などと売り込み、会場の笑いを誘った。
 ハワード会長は、就任式後に羅府新報の取材に応じ、日系コミュニティーと日本文化を愛する気持ちを率直に語り、各県人会と協力し日本文化の継承に全力を尽くす構えを示した。

昼食中にテーブルを回り、あいさつするジョージ・ハワード会長

 「これだけ多くのコミュニティーの皆さんの前で会長に就任し、光栄に思う。南加県人会協議会は、他の日本人や日系人とは異なる生い立ちを持つ私を会長に推挙したが、就任を終えて、日系コミュニティーの一員となれた気がして、新鮮だ」と晴れやかな表情で話した。会長任期中の目標は、「加盟する各県人会と県人会協議会の活動を通じて日本の伝統文化の保存と継承に努めること。日本文化振興という目標を達成するためには、私が所属している南加群馬県人会と県人会協議会で行ってきた活動の経験を生かしたい。これまで以上に会員間の意思疎通を図ることで、県人会協議会の組織全体をより効率化し、文化継承以外の活動にも時間を費やすことができるようにしたい。会員の皆が働きやすい環境を整えることが大切で、これまで会員の皆と協力して頑張ってきたことを、会長になったこれからも継続していきたい」と意欲を示した。

表彰を受けた(左から)ジョージ・ハワード、阿岸明子、大谷喜平の3氏

 大学で人類学を副専攻したことで文化に興味を抱いたという。「日本文化に傾倒したのは元々興味があったためで、自分にとって自然なことだった。日本文化は多様性に富み、日本舞踊、日本民謡、書道、茶道、生け花などは、一言で語ることができないほど奥深い。日本文化は世界一豊かで素晴らしいと信じている」と強調する。これまでコミュニティーの文化行事に数え切れないほど参加しており、「同じ日舞、茶道、民謡、生け花でも流派の異なる行事に参加し、舞台の踊りを見たり、音楽を聴いたり、作品を鑑賞し、写真を撮るなどして楽しんできた」と語る。親日家で、気さく、礼儀正しいことから、「人柄がよく親しみやすい」「日本人よりも日本人らしい」などと、愛されている。「そう言われることは、日本人コミュニティーに受け入れられたことだと思うので、大変うれしい」と笑顔を見せ、「初めて日系コミュニティーに入った時に、ふるさとに帰ったような思いがした。本当に居心地がいい」と語る。
 「私が入会した時は、ミーティングは英語と日本語で話し合うテーブルに分かれていた。だが、私の考えでは、県人会協議会はあくまで日本人の組織だと思う。そこで日本語の会話に混じって学ぶように努めてきた。米国式の私のアイデアも取り入れてくれて、ありがたかった。これまで同様、皆と協力し、学びながら会を運営していこうと思っているが、全ての人々が私のやり方に合わせる必要はない。反対者の意見も聞いていきたい」と説明。会長職のプレッシャーについては、「リーダーシップには常にプレッシャーがかかるが、仕事上マネジャーの経験もあり、他の親睦団体でも会長を務めてきたので、慣れている。プレッシャーは、何かを成し遂げる上で生じ、人々から求められているからこそ感じるものなので、その期待に応えたい」と述べた。
 県人会協議会の62年の歴史の中で、初の非日系・日本人の会長となったが、「これまで群馬県人会で会長に就き、着物の着付けで免状(奥伝)を取り、県人会協議会の副会長に就任した。これらは、いずれも『初の非日本人』だったので、今回も、自分にとって特別なことではない。白人、日本人という人種に関係なく自分の役割をこなすことに集中したい」と述べ、全力を尽くすことを誓った。
(永田潤、写真も)

パトリシア・キナガ弁護士(手前中央)の立ち合いの下、任務の全うを宣誓する新役員
お国言葉で出身県の食べ物を紹介する福岡県人会会長の古賀啓郎さん(中央)ら各県人会の代表

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