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5月15日、ハリウッド・ボウルがついに再開しました。昨シーズンの全キャンセルの後、やっとこの日が来ました。この日と翌週22日、6月12日、26日の4回は、フロントライン・ワーカーを招待しての感謝の無料コンサートで、一般のコンサートは7月3日に始まります。私は、プレス枠で、22日のコンサートに行ってきました。
 少しでも接触が少なくなるようチケットはすべてデジタル化され、入り口で事前にスマートフォンなどに送られたQRコードをスキャンするだけです。鼻の上から顎の下まで覆うマスクが必須で、ワクチン済みとそうでない人の席は離されており、約1万7500席の定員に対して招待したのは4千人だけということで、スタッフ、聴衆などすべての関係者を守るためのプロトコールが守られ、安心して聴くことができました。印刷物としてのプログラムがなかったのは、ちょっと残念ですが、仕方ありません。

 我らがロサンゼルス・フィルハーモニックが音楽・芸術監督であるグスタボ・ドゥダメルの指揮で演奏したのは、プロコフィエフ作曲の「古典交響曲(交響曲第1番)」、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」第5番、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」の3曲です。この3曲を選んだ理由を聞いたところ、それぞれの作曲家が自らの「ヒーロー」ともいうべき先達に敬意を表して作曲したものであることから、コロナ禍ですべての人の「ヒーロー」であるフロントライン・ワーカーの人たちへの感謝のコンサートにふさわしい、ということでした。
 プロコフィエフの「古典交響曲」は、この作曲家が学生時代から研究を続けていたハイドンの交響曲の形式を模し、ロシア革命のさなかに、明るく健康的で「ハイドンが現代に生きていたら書いたであろう」というコンセプトで作曲されました。プロコフィエフらしい「ひねり」もあって、とても楽しい曲です。
 ブラジルの作曲家、ヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ」は、その名が表す通り、敬愛していたバッハのスタイルとブラジルの音楽の響きやリズムを融合して作曲されました。9番まである中で最も演奏される回数の多い5番は、チェロ8台とソプラノ歌手1人という独特の編成で、この日歌ったのは、注目の新人、ガブリエラ・レイエス。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が主催するヤング・アーティスト・プログラム出身で、これからの活躍が期待される人です。
 最後のチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ(セレナードとも言います)」は、元来、愛する女性の部屋の外から男性が歌いかけるものであったセレナーデを、多楽章の器楽曲として確立したモーツァルトに敬意を表して、作曲されました。チャイコフスキーらしい叙情的なメロディーがふんだんに盛り込まれています。
 7月からは、定員の67%の聴衆を入れる予定だとか。ただし、ワクチン済みの証明書かPCR検査の陰性証明書が必要になるなど、厳しい制限が続きます。でもやっぱり、生(なま)の演奏を聴きに行くのは、コンピューターで聴くのとは違いますね! 夏が楽しみです。



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