以前も書いたことはあるが、勤務先の日系社会福祉団体で私が担当するプログラムに「日本語で話しましましょう」というのがあり、近頃とみにポピュラーである。
 日本で成長して英語社会に飛び込んだ者にとっては、どれほど日常英会話ができようと、テレビ番組を見るのに何不自由なくても、時に英語では伝えきれないニュアンスがある。もどかしくなることの1度や2度は、誰にでもあることだろう。
 それははっきりした形は見せないものの、長い間にはストレスになる。澱りのようにたまり、たまに同じ言語で話せる相手を見つけると、パンデミックの今日この頃、1時間を優に超える長電話になることも。
 パンデミックの前は4、5人だった参加者が、ワクチンの接種を受けて州の規制が少し緩み、密を避けてマスク着用なら、ということで、センターに集まる対面に変わった途端に、一挙に12人に増えた。
 94から下は30代まで、ほとんどは女性の退職者、中に男性が1人いるが彼は仲良く奥さん連れ。月1回、第二木曜日の集まりに、多少天気が悪くても、一同喜々として集まってくる。
 ちょっとした生活の知恵や知人の消息、レシピの交換、味自慢のクッキーの誕生秘話(?)に素直に感心したり自分のアイデアを売り込んだりと、とにかくにぎやかである。もともとはライセンスを持つカウンセラーがスタートしたプログラムだが、なんだか私が引き受けてからはアマチュアの悲しさ、いつの間にか脱線してしまい、申し訳ないが何でもありの雑談会になってしまった。
 しかし1時間半のプログラムが終わっても、まるで女学生のようにお互い別れ難いようで、迎えに来た娘さんたちに急かされながら、再会を約束してセンターを去ってゆく参加者の笑顔が、心なしか晴ればれしているように見えるのは私だけだろうか。
 人間とは、やはり家族はもちろん、常に知人、友人とつながっていたい、人恋しい動物のようだ。
 今年1年お世話になったカレンダーも、最後の1枚になった。
 カレンダーが新しくなったら、第二木曜日にマークをお忘れなく。【川口加代子】

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