こちらのテレビや映画を見ていて気が付いたことの一つに「名前」がある。物語に出てくる動物や生き物、ロボットなどに愛称を付けず、単に「ドラゴン」とか「ロボット」とかのように呼ぶことがある。子どもの番組にも、主人公の友達として「ドラゴン」の名前で出ていた。
60年代に日本でワクワクして見ていた米国のSFドラマ「宇宙家族ロビンソン(Lost in Space)」のロボット。米国では本当に「ロボット」と呼ばれていたようだ。そこで日本の放映局が視聴者から呼び名を募集し、家族の名前がロビンソンだからその従者的存在のロボットは「フライデー」に決まった、という記憶がある。フライデーとは小説「ロビンソン・クルーソー」に出てくる登場人物の名である。
家畜に名前を付ける習慣もアメリカにはあまりないように見える。名前の代わりに番号を付ける。日本も牧畜が盛んになるとやはり番号を付けているようだ。
なぜだろうと思っていたら、何かで「名前を付けると情が移り、屠殺(とさつ)場に連れて行くのがつらいから番号にする」というのを読んでなんとなく納得してしまった。
昔の日本は宗教上表立って肉は食べなかったので、一頭一頭名前を付け、家族同然に暮らしていたという。
ちょっと雑談。ウサギを数える時、「匹」「頭」ではなく「羽」と呼ぶのはなぜか?
徳川五代将軍の綱吉(犬公方)が「生類憐(あわれ)みの令」で動物を殺すことを禁じたが、鳥を狩ることは許したらしい。そこで、ウサギは飛び跳ねることから鳥扱いにした。または、「ウサギは『ウ(鵜)』と『サギ(鷺)』だから鳥だ」とこじつけて狩りをしたから数え方は「羽」であるとした。古人の知恵(?)か。この他にも説はいろいろあるらしい。
ただ、現在はウサギを愛玩動物として飼っている人が結構多い。昔に食糧とするために「羽」と数えていたのを今でも使用するのは抵抗がある、という話も聞いた。
閑話休題。逆に、欧米には自家用車などの乗り物に名前を付けることが多い。車や船舶など乗り物は女性名詞で「She」と呼ぶ。恐怖映画の「Christine」などがそのいい例かも。意思のある乗り物は怖い…。
車に反乱されないように大事に扱おう。(徳永憲治)