アースデーのウィークエンドにビッグベア・レイクに行った。なかなか出掛けるチャンスがなく、近場でも初めてだった。ロサンゼルスから2時間ちょっとで気候も景色も違う別世界で、リフレッシュできた。標高が7千フィートを超え、雪が近くにまだ残っていて、風がきりっと冷たかった。
湖の周りの浅瀬にはカルガモのつがいがゆっくりと休んでいて、近寄っても逃げない。普段見かけないきれいな青い鳥が小魚を獲ってくわえていたり、澄んだ水辺には釣り人がゆったり釣り糸を垂れ、家族が一緒に食事を楽しんでいたりした。捨てられているゴミは小東京とは比較にならないほど少なく、ホームレスは1人も見かけない。救急車やポリスカーのサイレンの音もない。威嚇や奇声の怒号も聞こえてこない。自然の静寂だけ。湖のさざ波、風の音、鳥のさえずりだけが聞こえてくる。夜は星が近くに見えて、北斗七星がこんなに大きかったか!と氷点下の気温もなんのそので見上げていた。この静寂にほっとするのは、毎日ホームレスの奇声、怒鳴り声とゴミの中にいて、ストレスがたまっていたから。だから余計に求めているのだと思った。多分、夏のキャンプシーズンとスキーシーズンはもっとにぎわうのかなと思ったが、それでも、行き交う車の量は少なくはなかった。
8千フィート越えからの景色も圧巻だ。日光の「いろは坂」を思わせる曲がりくねった坂道、勾配は日光の比ではない。それにしても、世界最大級のかんがい用水の人造湖として140年近く前に造られたというから驚きだ。ただ、こんなに雪があるのに水量は十分ではないというのが気になった。山火事の焼け跡が分かる焦げた樹木。保水力が落ちていることは容易に想像できた。
街に戻ってまた通常の騒音の中にいると、にぎやかで活気があるようには見える。では活気って? 騒々しいってこと? になるが、ただ騒々しいだけでは元気にはならないと思う。騒々しいと不満や落書き、器物破損の苦情が多い、ということは元気を阻害する要因が多いということになるのではないだろうか。
来月は2年ぶりに小東京の清掃活動「LITTLE TOKYO SPARCLE」が復活するという。きれいは元気!(大石克子)