シーズン王者に輝きトロフィーを抱くアレックス・パロウ選手=2021年9月26日、ロングビーチ

 インディ・カーシリーズ(全17戦)の今季第3戦アキュラグランプリ(ロングビーチ、10日午後12時45分決勝)に出場する選手が7日、レース会場に集結しコースの下見などを行った。20選手ほどがメディア取材に対応し、力走を誓った。
 中でも昨シーズンのシリーズチャンピオンに輝いたアレックス・パロウ選手は注目の若手。日本で2年活動したことがあり、その貴重な経験がインディカー王者につながったと言い切る。
 日本でのレース活動は最初が2017年。F3にフル参戦し総合3位の好成績を納めた。2年後の19年にも日本で活動し、スーパーフォーミュラで総合3位、スーパーGTではGT300にエントリーし総合15位の成績を残した。
25歳の王者は、羅府新報のインタビューに応じ、日本へ渡ったレース修業について「大きく成長させてくれた」と感謝に耐えない様子で述べ、日本と日本人の思い出を語った。

20歳で日本「いい思い出たくさん」
親日家のパロウ選手
 20歳で初めて渡日したシーズンは、それまで経験したヨーロッパのレースとは違った環境で、新鮮な気持ちだった。毎日が驚きと発見の連続で、初めて経験する日本のレースを学んだ。
 2年目はスーパーフォーミュラとスーパーGTで走ったが、どちらもとてもレベルが高く、この2レースに参戦したことで大きく成長できたと思っている。日本のチームは車を速く走りやすくするために細かい箇所までセッティングするのが印象的だった。何度もテストを重ねて車を作り上げ、シーズンを通して多くのレースに臨んだ。

羅府新報の記者の質問に答え、日本の思い出を語るアレックス・パロウ選手

 日本人ドライバーの技術水準は高く、レースは競争が激しく、勝つのが難しかった。チームメートのドライバーから車や初めて走るコースについて教えてもらった。特によくしてもらったのがヤマモト(山本尚貴選手)さんだった。ヤマモトさんは、スーパーフォーミュラの経験が豊富で幾度も優勝した実力があり、いいアドバイスをもらい、多くのことを吸収できた。
 日本には、私のように外国から来て、何も分からずに暮らす人々を温かく迎え入れてくれる文化がある。優しく話し掛けてくれたり、居心地のいい環境を作り出してくれたりしたことは、大変にありがたかった。レースで日本各地を転戦することができて良かった。日本のファンは熱狂的で、われわれのチームを追いかけて応援してくれたことを楽しく思い出す。これまで日本で三つのチームに所属したが、それぞれでさまざまな人と出会い、世話になった。日本には、いい思い出がたくさんある。
 私にとって、ロングビーチは昨年9月にシリーズ王者を決めた思い出深い、特別の地。またここで走ることができてうれしい。10日のレースを今季初勝利で飾り、シリーズ最大のインディ500(5月29日)につなげたい。
 昨年のインディ500(2位の好成績)は、もう少しで勝てる接戦だったので、とても悔しい思いをした。だが、屈辱から学んだことを教訓にして成長できたと思う。ところで昨年のインディ500では侍のかぶとをイメージしてデザインしたヘルメットを被り臨んだ。日本での活動の記念と、応援してくれた日本人ファンにささげた特製のヘルメットだ。
 昨年にインディカーのチャンピオンになったことで、「将来はF1への転向を目指すのか」とよく聞かれる。でも、そのつもりはない。確かにF1は世界のモータースポーツの最高峰には違いないが、今はインディカーをドライブすることがとても幸せだ。スポンサーとチームの支えが私を勝たせてくれている。インディカーにはレースで勝つという楽しみがあるので、今は他のことは考えることができない。
 昨年と比べて、今季のチーム体制に変わりはない。今季もよくスタッフと話をして、毎レースで学んでいる。学ぶ意識がないと勝てないことが分かっている。チームメートともできる限り多くの情報を交換し、最高の結果を挙げるためにチーム一丸となっているので、毎レースで進化していると感じている。今季ももちろんチャンピオンになりたい。

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