ロサンゼルス地区本部を訪れ、あいさつする鷲見国仁理事長(右奥)

 創立100周年を来年に控える日本国風流詩吟吟舞会(本部・横浜)の鷲見国仁(すみ・こくじん)理事長がこのほど、米国国風流詩吟吟舞連盟ロサンゼルス地区本部(荒木国漳会長)を訪問した。吟道に励む会員を激励するとともに、来年秋に予定する100周年記念式典への協力と参加を求めた。

 鷲見理事長は18歳で会の創設者である雨宮国風・初代宗家に師事し、宗家が亡くなるまで、師の自宅の稽古場に通った。吟歴は約60年に及ぶ。約5年前に理事長に就任し、会員数が減少する中でも、初代宗家から託された「100周年を頼んだ」という言葉を胸に、「人生最後の務め」と自らを鼓舞し、各地の支部を精力的に回っている。

 国風会は全盛期、日本全国に22支部を構え、総勢4万人を超える会員を擁した。現在は17支部、約千人が活動する他、海外では米国(ロサンゼルスとシアトル)とカナダ(バンクーバー)に各連盟を置く。日本で毎秋、全国大会を催し、米国とカナダからも会員が毎回欠かすことなく参加し、吟友から歓迎を受けている。

ロサンゼルスで催された吟詠大会に参加した時の集合写真を見て、当時を懐かしむ鷲見理事長(左)

 初代宗家は生前、ほぼ毎年のように来米しロサンゼルス地区本部を訪れ、鷲見理事長も同行していた。その当時は米国で約500人が活動していたという。理事長のLA訪問は今回が11年ぶり。横浜本部から派遣された2人と共に10日間滞在し、シアトル地区本部とカナダ連盟も視察した。

 理事長は、荒木会長からLA地区本部の活動の説明を受けた。会員数は日本帰国や高齢で車の運転ができなくなったことなどを理由に3人までに減ったが、理事長は「少ないながらも、こうして集まり助け合っていて立派だ」とねぎらった。また、LA地区本部が当地の6流派で構成する「南カリフォルニア詩吟連盟」に所属し、流派の垣根を超え活発に交流していることを高く評価した。さらに、南加では華道、書道、舞踊が盛んなことから、「国風流が他の日本の伝統文化とコラボレートし、交流をさらに深めればいい」と提言した。

 理事長は講習会を開き、貫禄のある模範の吟詠を披露した他、LA地区連盟に詩吟の教材と8行および16行の詩吟の伴奏の音源を贈った。会員は課題の4行の詩吟と五言絶句、和歌朗詠(朗々調と琵琶調)を発表した。会員の朗吟を聴いた理事長は「熱心に練習していることが伝わってきた。詩吟の本筋を理解し、しっかりと吟じ、日本文化の伝統を守っている」とたたえた。「本部に戻ったら、LA連盟が詩吟に打ち込み、日本以上に頑張っていることを伝えたい。日本の会員は刺激を受け、互いに良い影響を与え合うだろう。このようにして、士気を高め、100周年記念を盛り上げていきたい」と抱負を述べた。

 当地で国総流詩吟会を創流した世木錦光師は、かつて国風会に属して技術を磨いた。2004年に新派を創設し、「国総流の詩吟の原点は、国風会にある。国風会で詩吟の基礎を学んだおかげで、国総流を創立することができた」と語った。この日は鷲見理事長と久しぶりに再会し、喜びを分かち合った。また世木師は、荒木会長が保管する、初代宗家や理事長ら12人の吟詠を収録した貴重なレコード「日本国風流吟詠選集」のジャケットを見て、当時を懐かしんだ。

 理事長によると、世木師のように国風会に入門して腕を磨き、その後独立して流派を立ち上げた人が多くいるという。「初代宗家が国風流詩吟会の種をまいた。今ではその散りばめられた星が、日本とこの米国で輝いている。世木さんは、その星の一つである」と表現した。  荒木会長は理事長の訪問に感謝し、「はるばる日本から来てもらった。講習会で教わり、改めて基本を確認することができた」と語った。「海外に二つしかない連盟の一つとして、期待を寄せられていることが分かった。100周年の記念大会に向けて、練習に力を入れたい」と述べた。                                            (永田潤、写真も)

講習会で集合写真に納まる鷲見理事長(手前左)と荒木会長(同右)ら

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