仕事の合間や週末に、小説やエッセーを読むと心が落ち着く。今更ながら気がついた。普段は仕事に役立つコロナ関連やビジネス本などを選びがちで、楽しむというよりは世の流れに付いていくために読まなきゃという感覚だった。
 学生時代に読んだ本を引っ張り出してくることもあるし、話題の新刊を買うこともある。インドア生活に拍車がかかっていることは否めないけれど、ヨガをした後のように仕事からいっときでも離れて、物語に熱中して頭が空っぽになるのがいいのだろう。
 好きな小説家が毎日SNSで配信している日記のようなエッセーを読むのも日課になっている。1日に数回アップされ、日常生活の出来事や、その人の考えや哲学などがつづられている。きょうも頑張ろうと励ましの言葉にもあふれている。
 適度な文量で書かれていて、どれも最後まで一気に読んでしまわないと気が済まないほど面白くて飽きさせない。かなりの数の読者がいるようで、ここまで人を夢中にさせるとはさすがの作家。書くのがしんどくてたまらない私にとってはもはや憧れでしかない。
 どうしたらもっと楽しく書けるようになるのだろうか、というのがやっぱり一番知りたい。日本語でも英語でもしんどい。英語は母国語ではないからもっと大変で、ネーティブの仲間の力を借りながらハードルを越えようとしている。
 何か仕事に還元できるヒントが欲しくて、その作家の小説教室に参加している。月1回のオンラインのクラス。数日間は見逃し視聴もできる。私は課題を出したことがない怠け者の受講生だけど、録画された音声をラジオのように聞きながら散歩するのがお気に入りだ。
 書くことは相変わらず楽ではないけれど、作家先生の話は毎回とても新鮮で声の心地もいい。新しい気分転換の方法をもらえた気がしてとてもありがたい。いつか自分も自由に書けるようになりたいと前向きな気持ちになれることもある。
 小説やエッセー、SNSの日記、耳で教わる小説教室。人と直説会話することはいまだに少ないけれど、他人の言葉から元気をもらったり励まされたり学んだりしている日々だなと思う。私もそんな風な書き手になりたい。(中西奈緒)

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