今年のアカデミー賞でアジア人が初の主演女優賞に輝いた。同じアジア人なので親近感が湧いたが、昨年の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞し、濱口竜介監督がオスカー像を抱いた時のように心から喜ぶことはできなかった。メーキャップ&ヘアスタイリング賞を2018、20年の2度獲得したカズ・ヒロ(辻一弘)さんの受賞の瞬間の感動も、忘れることはない。当地で活躍するだけに応援する気持ちが強かった。映画に限らず、世界的に権威のあるグラミー、ノーベルといった賞や、バレエ、ピアノ、バイオリン、料理などの著名コンクールで自国出身者が受賞すれば、それを素直に喜ぶのは自然な心の表れだろう。
今週末にロングビーチの市街地コースで自動車レースの祭典「アキュラ・グランプリ」が開かれる。トラック、ドリフトカー、スーパーカー、スポーツカー、メインレースのインディカーでそれぞれ速さを競う。3日間で延べ18万人以上が訪れ盛り上がるが、私の中で何か物足りないのは、今年は日本人が不在だからだ。
インディカー・シリーズは幾人もの日本人ドラーバーが挑んだが、分厚い壁を破れずなかなか勝てなかった。その中で、待望の日本人初優勝を佐藤琢磨選手が14年にロングビーチで成し遂げた。佐藤選手は通算6勝、世界3大自動車レースの一つとされる「インディ500」を2度制し名をはせた。だが今季はオーバルコースに専念するためにロングビーチでは走らない。インディ500(5月28日)で3度目の優勝を見せてほしい。
大リーグは野茂以来、日本人が挑戦を続けている。数えてみると、今季は開幕時で新人3人を含む投手5人、野手2人、投打の二刀流1人の8人。当地の日本人が、14年を最後にプレーオフ争いから遠ざかっている弱いエンゼルスの応援に行くのは、大谷がいるからだ。今季の投球は進化を遂げ鋭い変化球を武器に、勝ちっぷりがよく3試合で防御率は驚異の0・47。今年はエンゼルスとの契約は最終年となるが、地元での見収めとならないように残留を祈りたい。(永田 潤)
