メディアに囲まれ、今季の抱負を語る大谷選手

 昨年、球団史上初のワールドシリーズ(WS)連覇を達成したドジャースは、オフシーズン恒例のファン交流イベント「ドジャーフェスト」を1月31日、ドジャースタジアムで催した。大谷翔平選手、佐々木朗希選手ら主力が参加し、ファンとの触れ合いを楽しんだ。大谷選手は「3年連続でWS優勝を目指したい」と力強く語った。
 昨年のWSでMVPに輝いた山本由伸選手は不参加だったが、大谷、佐々木両選手はメディアの取材に応じ、オフシーズンの過ごし方や3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、そして今季に向けての抱負を語った。
 大谷選手は久しぶりにメディアに囲まれ、「車が駐車場に多く止まっているのは久々に見て、シーズンが始まるわくわく感がある」と気持ちの高ぶりを表現。オフシーズンの過ごし方と春季トレーニングの調整について問われ、「いつも通りのオフシーズンだった。(右肘の)手術(のリハビリ)がなかったので、ゆっくりできた。今のとこ

トークショーでは終始笑顔で話した大谷選手

ろ健康な状態で来ているので順調。ただ、WBCがあるので調整が少し早くなる」と述べた。WBCと今季の投球については、「レギュラーシーズンでは投げる。WBCではまだ分からないが、体の具合を見て決める。WBCに出ることは決まっているので、DH(指名打者)として準備したいと思う」と話した。
 昨季は右肘の手術後に球速が上がったことを指摘され、「感覚的に1回目より2回目の(手術の)方が感じがよかった。強度に自信を持って投げられた。トレーニングの成果でもあり、2回目を受けて十分にリハビリができた結果だと思う」と説明。投球の調整はブルペンで3、4回こなしており、「球速はまだマックスまで上げてないが、通常のペースで、ある程度の球種を使って30球ほど投げている」と、順調さを強調した。

タイラー・グラスノー投手(左)と共にテレビのスポーツチャンネルに生出演する大谷選手

 チームがこの2、3年でスター選手と大型契約を交わし補強を続けていることに関しては、「自分の契約は勝つために、しっかりとオーナーとGMと契約内容を確認した。ドジャースは間違いなく全力を注ぎ、そこ(優勝)に向けて毎年前進している。ファンにとっては、(補強ができ)良いオフシーズンだったと思う。僕は経営者ではなく一選手だが、ドジャースは良い経営をしていると思う」と意見を述べた。
 大谷選手はWSで2回優勝を経験し、MVPを4回受賞している。今季の抱負を、「WSで優勝するのが一番の目標で、それに伴って自分も5回目のMVPを取れればうれしい。投手としても1年を通して貢献したい」と述べ、投打の「二刀流」での活躍を誓った。二刀流は「(投球と打撃の意識を)切り替えることはなく、自然にそうなるようにやっている」と説明し、「盗塁ができてホームランを打てて三振を取れ、全部できれば最高」と話した。

インタビューに答え、笑みを浮かべる佐々木選手

 フィールドで行われたトークショーでは、大歓声の中、大谷選手と佐々木選手がそろってステージに上がった。2人は私生活や昨季の思い出のシーンなどを語り、会場を沸かせた。
 大谷選手は昨年誕生した長女と、自身の子育ての長所と短所について口を開き、「日に日に成長していくので毎日楽しみにしている。長所は他の人よりも娘を掲げる位置が高いので、娘は楽しいと思う。短所は妻に聞いてみないと分からない」と話し、笑いを誘った。
 トークショーの2人の司会のうちの1人は、ドジャースの試合中継で実況を担当しているスティーブン・ネルソンさんが務めた。ネルソンさんはオレンジ郡ハンティントンビーチ出身で、母親が日系米国人だ。ネルソンさんは大谷選手に、山本選手の成長について質問を投げかけ、ディズニー映画「ライオン・キング」に例えて「山本選手はWSでMVPに選ばれる活躍をしたので、(赤ちゃんライオンの)シンバが立派なライオンに成長したような感じがするか」と尋ねたが、大谷選手は「今日、奴(山本選手)はこのイベントに来なかったので格下げだ」と、冗談で笑わせた。

トークショーで、今季の抱負を語るフレディー・フリーマン選手

 佐々木投手は鋭く落ちるスプリットとスライダーの二つの変化球を武器にするが、三つめの球種の習得について明かし、「昨年から練習しているカットボールとツーシームを磨けるようにオフシーズンから準備をしている」と述べた。けがで長期離脱した昨季を振り返り、「思うようにいかないことが多かったが、最後のポストシーズンでチームの力になれた。その経験を今シーズンに生かしたい」と雪辱を誓った。メジャーデビュー戦とポストシーズンの抑えとしての登板を比較し、「後の方がより緊張したが、勝負の楽しさを味わえた」と胸を張った。今季については「自分の立場は確約されているわけではないので、キャンプを通して良い結果を残し、ローテーションに残ってシーズンを投げ切ることが個人的な目標だ」と意気込んだ。
 昨年の印象に残った場面として、大谷選手はWS第7戦の九回に放ったミゲル・ロハス選手の同点弾を挙げ、「ミギー(ロハス選手)のホームランは、自分は(次打者だったので)後ろから見ていたので、『行ってくれ』という気持ちを込めて特別な位置で見させもらった」と語った。佐々木選手は「由伸さん(山本投手)が連投したWS第7戦で、抑えて優勝を決めたこと」と答えた。

笑顔でファンと触れ合うデーブ・ロバーツ監督

 デーブ・ロバーツ監督は、大谷は今季も1番打者として、佐々木は先発として起用することを明言した。大谷のWBCでの登板については大谷の決断に理解を示し、「彼は投げることはない。それは、今季の二刀流に向けて最善の方法だと思う」と述べた。一方、山本投手はWBCで投げるとし、「ヨシは挑戦する気持ちがあり、投げたいと思っているので、われわれはサポートしたい」と語った。
 そしてこの日、ファンを最も熱狂させたのは、昨年のWSの名場面を振り返った時だ。第3戦の延長十八回にサヨナラホームランで試合を決めたフレディー・フリーマン選手、第7戦で劣勢から勝負強さを発揮してソロホームランを打ったマックス・マンシー選手とロハス選手、そして決勝ホームランを打ったウィル・スミス選手らヒーローの活躍を大歓声とともにたたえた。 (永田潤)

司会を務めたスティーブン・ネルソンさん(左)と握手する大谷選手

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