6月23日は沖縄での終戦日である慰霊の日でした。玉城デニー沖縄県知事は、日本語と英語で平和宣言をしました。琉球語でもスピーチをし、「生命(ぬちだから)大切(てーしち)にする心(くくる)持(む)ち(命ぬちどぅ宝たから)」、というウチナーグチ(琉球語)での演説は、心に刺さるものがありました。
 「命どぅ宝」(ぬちどぅたから)という言葉は、元々は琉球王国最後の国王の尚泰(しょうたい)王が言った言葉として大切にされてきました。日本政府が沖縄を武力で併合し、沖縄の文化やウチナーグチを禁止し、尚泰王を追放した時に、非暴力での抵抗運動の要となる言葉として伝えられていったのです。戦争に勝つことよりも、大切なことを教えてくれる言葉なのです。
 そして、「生きかりるーうぇーかや、生ちちゅしやさ」(生きられる間は生きるべきだ)」という思想も、ウチナーグチが禁止されても沖縄文化が否定されても、沖縄の人々の心の中に大切に受け継がれてきたのです。
 私が糸満の平和記念公園を訪れた時には、海が望める広大な敷地はほとんど訪れる人もいなく静まり返っており、平和の礎(いしじ)と呼ばれた数えきれないほどの石碑には、戦争で犠牲になった24万人の名前が刻まれていました。太陽の日差しと海からの強い風が、平和の礎を容赦なく吹きさらしていました。
 平和記念公園には、「命どぅ宝」の石碑もひっそりと残されています。お金や名誉や土地や財産よりも命が大切なのです。今こそ、その言葉を、戦争をしている国、または戦争を支持している国々のリーダーに届けるべきだと思いました。
 戦争には勝者と敗者がいると誰もが思うかもしれませんが、「戦争を始めた国はどちらも敗者なのだ」と、作家の保阪正康氏は言っています。戦争は始めるのは簡単ですが、終わらせるのは大変に難しいといわれています。命の犠牲があるからです。ですから戦争を始めようとしてはいけない、始めた時点で敗者である、という考え方に強い同意を覚えました。平和の礎は強い風や日差しに負けることなく、そのことを語ってくれているのです。(アサクラ ユウマ)

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