4年に1度の女子サッカー・ワールドカップ(W杯)が、ニュージーランド(NZ)とオーストラリアで開幕した。8月20日の決勝まで約1カ月間、熱戦が繰り広げられる。南半球初の開催。6~8月が冬の季節になり、平均気温はセ氏10度前後。ナイターでの観客の服装は、皆、厚手のジャンバー着用で、結構寒そうだ。
2019年の前大会より8カ国増えて出場32チームに。予選は4チームずつ8グループに分かれて総当たり戦。各上位2チーム、計16カ国が決勝トーナメントに進出し勝ち抜き戦で世界一を競う。
注目すべきは、2連覇中の米国が3連覇を達成するかどうかだ。東京五輪優勝のカナダ、前五輪大会準優勝のオランダ、強豪ドイツ、フランス、スウェーデン、イングランド、力をつけてきたスペイン、巻き返しを図るブラジル、今大会初出場の8カ国、そしてもちろん日本のなでしこジャパンに期待する。
米国戦は米国内での放映観戦になるべく都合のいい時間帯になっているが、他国の試合はほぼ夜中~朝方だ。
各国代表としてプレーする多くの選手が、全米女子プロリーグNWSLで活躍中だ。日本代表では、遠藤選手はエンゼル・シティーFC、杉田選手はポートランド・ソーンズ所属だ。日本代表23人中、ヨーロッパのクラブ所属7人を含め海外組は合計9人。19年のメンバーは韓国でプレーする1人以外は皆国内組だった。
日本選手は皆パスがうまく、小柄な体型でも足腰が強く、基本がしっかりして、状況判断とチームワークが抜群だ。
12年前の11年ドイツ大会で、日本代表なでしこは見事優勝。同年3月にあった東日本大震災の悲劇から立ち直る勇気を日本全国民に与えてくれた。8年前のカナダ大会では準優勝。しかしその後、世界ランク11位に後退。日本での放映は開幕1週間前にやっとNHKに決定したとか。
審判団にも日本人女性3人が参加しており、すでにオークランドでの開幕戦(NZ対ノルウェー)を無難にこなした。この試合はNZ女子国際試合新記録の4万2137人の観客を集めた。共同開催国オーストラリアでの開幕戦も7万5784人の新記録を樹立する人気だ。
選手たちは、全力を尽くしけがをしないように頑張ってほしい。大会の盛り上がりを願う。(長土居政史)