大リーグのシーズン中のトレード期限が1日、終了した。移籍市場の話題をさらったのは、エンゼルスの大谷だった。球団が放出しないことを発表したのは、期限が迫ったほんの数日前のこと。残留の朗報にホッとして一番喜んだのは、シーズンオフから移籍を心配していた地元OCとLAのファンだろう。そして、球団が大谷を保持することを決めた後も、一部のメディアが妙なうわさのようなトレード話を流し続け、大谷の大物ぶりを物語った。
トレード成立には、互いに交換要員が必要。大谷は投打の「二刀流」という前例のない特殊な選手なので、難しいと思っていた。1人2役をこなすため、単純に1人対2人の取り引きとなる。しかも大谷は投打とも一流のため、1対2どころか最低1対3プラス金銭と予想していた。
エンゼルスはシーズン前半戦をほぼ五分で乗り切り、後半に入ってもプレーオフを狙える位置で追い上げているため、大黒柱の大谷の力は絶対に必要だ。もし、手放していればファンは怒り、スタンドは空席だらけになったに違いない。エンゼルスは超高年俸の2選手を含む有力選手が続々とけがで戦列を離脱し、調べてみると何と今でも17人が負傷者リストに入っている。戦力低下を補わねばならず、ここまでにトレードで好選手を次々に獲得し、これら新加入組の活躍で勝利を重ねて、プレーオフ進出に向かっている。
大谷は15本塁打を打った6月に月間MVPに選ばれ、7月も3打席連続など本塁打を量産。投げては初完封を記録。ようやく、唯一無二の二刀流の活躍が高く評価され、7月も2カ月連続でMVPに輝いた。驚いたのは、ダブルヘッダーの1試合目で完封勝利を収め、その数十分後に開始された第2試合でも疲れを見せず2本塁打を放ったことだった。
大谷の活躍はドラマや漫画のようだといわれている。これからも現実離れした活躍を見るのが楽しみだ。2014年以来プレーオフから遠ざかっている弱小チームが、ワールドシリーズ進出。そして日本から来たスーパースターが頂上決戦で快投を見せ、決勝本塁打で優勝。大谷ならできる。(永田 潤)
