パリ五輪開幕まで、あとひと月。夫の高知の友人から「2人でパリへ」とレスリングで五輪を目指す孫2人の活躍の様子が届くことをこのコラムで紹介したのは昨年のことだ。これまで五輪競技会場での選手の活躍に目を向けても代表に選ばれるまでのアスリートたちの熱い日々とは無縁でいたが、友人のおかげで五輪出場を目指す人々の熱気が身近になり、自分たちまでハラハラドキドキ。夫などは2人の五輪出場を祈願して日本でいくつもの神社に参詣したほどだった。
そうして見守った清岡兄妹は、兄の清岡幸大郎さんがフリースタイル65キロ級の日本代表に選ばれた。途中、けがで諦めかけた時もあるだけに、本人と周囲の喜びはひとしお。一昨年暮に急逝した父親に代わり、祖父である友人が喜びの家族インタビューに応じていた。昨年12月の55キロ級全日本選手権覇者である妹の清岡もえさんは、55キロ級が五輪競技種目でないため階級を53キロ級に変えて五輪代表に挑戦したが、同階級で連勝を重ねる藤波朱理選手に敗れてパリ行きはならなかった。しかし10月に、55キロ級日本代表としてアルバニアでの非五輪階級世界選手権に向かう。
高知では今月初め、清岡幸大郎さんと女子57キロ級で五輪代表に選ばれた桜井つぐみさんの壮行会が催され、知事や市長を始め350人が出席して2人の五輪出場を祝い、激励した。両選手は3歳の時に、つぐみさんの父である桜井優史さんが立ち上げた高知レスリングクラブの1期生としてレスリングを始め、もえさんも兄に続いたもの。清岡兄妹の母えりかさんとつぐみさんの母親が職場の同僚という縁で飛び込んだレスリングの世界という。壮行会の会場にはもえさんの姿もあり、もえさんは「(次の)ロサンゼルス(五輪)を目指します」と宣言。まずは幸大郎さんのパリ五輪での活躍を、次にはもえさんのロサンゼルス五輪出場を祈っている。
県人口が遂に70万人を切るなど残念なニュースの多い高知では、この夏はうれしいニュースが待たれている。もちろん、高知に限らず世界の各地で、地元出身アスリートの応援に熱が入ることだろう。(楠瀬明子)
