6日、日本では広島の平和祈念公園で「平和記念式典」が行われた。松井一実・広島市長は平和宣言で、対話の重要性を強調。「希望を胸に心を一つにして行動を起こそう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことが必ずできる」と訴えた。
 初めて原爆資料館を訪れたのは60数年前、大学の「マンドリンクラブ」の演奏旅行で広島を訪れた時だった。話には聞いていたが資料館で原爆の数々の遺品や遺物を見て、初めてその悲惨さが理解された。正に聞くと見るとは大変な違いがあることを知った。
 今、世界各地で戦争が起きている。日本は中国で、朝鮮で、太平洋諸島で、アジアの国々で、多くの国々を相手に戦い多くの若者たちが命を落とした。追い詰められた日本軍は特攻機や人間魚雷などの特攻兵器を次々と開発し、通常戦術には許されない生還の希望のない戦術まで生み出した。太平洋の島々、沖縄などの激戦を通じて、米軍を主とする連合国軍も、日本本土への進攻には自軍にも多大な犠牲が伴うことが理解された。
 米国に住み、真珠湾攻撃の12月7日が来ると、日系人は心穏やかではいられない。街でも学校でも特に面と向かって非難されるわけではないが、居心地が悪い。同じように広島を訪れる米国人もそんな気持ちがあるかも知れない。
 誰もが好んで戦争をしたいわけではない。しかし外国からの圧迫を感じて、または欲に駆られて争いを始めて戦争が拡大する。人間が持っている業といえようか。それを防ぐのは「相手の言うことに耳を傾け、理解しようと努めること」そして「妥協点はないかと話し合うこと」しかないのだろう。
 上皇ご夫妻は、在位中に激戦のあった太平洋の島々にしばしば足を運ばれ、慰霊の旅を重ねられた。そして「日本人が忘れてはならない日があります。6月23日の沖縄慰霊の日、8月6日の広島原爆の日、8月9日の長崎原爆の日、8月15日の終戦の日です」と言われた。8月には悲しい日が3回もある。
 あれから79年、8月7日の甲子園で全国高校野球大会が開幕した。この日を目指して毎日猛練習を重ねて日焼けした高校球児が憧れの甲子園に集まった。この全国高校野球大会は今年106回目、甲子園ができてから100年目になるという。
 野球の戦いは命を懸けた殺し合いではない。努力と相手への尊敬を失わない高校野球がこれからも長く続くことを願って熱戦を観戦したい。(若尾龍彦)

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