たまにインスタグラムに入ってくるコマ漫画「マムライフ・コミックス」(@momlife_comics)が面白い。子育て中の白人のワーキングマザーが家族の日々をつづっている。内容は、「保育園のお迎え、同じことをしているのに私は『普通のママ』で夫は『素敵なパパ』。この評価の違いは何?」と、こんな感じだ。ソフトな色使いのイラストだが、女性の役割の刷り込みやジェンダー不平等に対する皮肉がピリッと効いているのが「分かる、分かる」と共感できる。
でもちょっと待って。私の子育ては、日本で数十年前に終わっている。女性の社会進出が日本に比べてはるかに進んでいるはずの米国でも「いまだこれ?」と思うと、少々やるせない気持ちになる。
世界経済フォーラムの「ジェンダーギャップ指数2024」。日本は146カ国中118位(達成率66・3%)と大きく低迷するが、実は米国も先進7カ国の中では上位ではない。米国は全体で43位(達成率74・7%)、先進7カ国では上から5番目。つまり米国もまだまだなのだ。
仕事柄米国社会のニュースを追いかけていると、「これまで男性が独占してきた役職に初めて女性が就いた」という一報が入ってくる。そんな時、「この女性は新しい価値観をその世界に持ち込んだのか、あるいは、これまで男性が築き上げた価値観を踏襲するだけか」と考えが巡る。見かけが女性でも、求められるのが男性の役割なら、それはやはり男性優位社会のままではなかろうか?
カマラ・ハリス副大統領は「女性」と「有色人種」というダブルマイノリティーを背負っている。どちらがより重い十字架だろう。8年前に白人女性のヒラリー・クリントンさんが大統領にならなかった社会で、ハリスさんはどのように支持されるのか。そんな興味を抱きながら見てきた大統領選だった。
もしも結果がハリスさんなら、うんと個性を発揮してほしいと願っていたが、結果はトランプさん。米国にはまだその時が来ていないということか。色眼鏡の視点だと、そんなふうにも見える。(長井智子)
