テクノロジーの発達は留まるところを知らず、AIなどという紛らわしいものが開発され、偽物と本物の区別がつかなくなってきたが、私は相変わらずローテクな暮らしを続けている。
そのお陰で最近ひどい目にあった。
ある日帰宅するといつものように郵便物が束になって届いているが、ほとんどは非営利団体からの寄付の依頼と光熱費やクレジットカードの請求書である。
封を開けて捨てるものと必要なものを仕分けていると、確か支払ったはずの2社から督促状が届いている。
郵便事情の悪さはパンデミックが収束しても一向に改善されないが、それにしても1カ月前に送った小切手がまだ届いていないのだろうか。
仕方なくコンピューターを開いて小切手の口座を調べて思わず頭の中が「?」マークでいっぱい! 確か41ドル何がしかの支払いのはずが3213ドルプラスが引き出されている。
最近右目の白内障を手術して、まだ視力がしっかり戻っていないので、そのせいかと思い、何度番号を確認しても、画面の数字に間違いはない。頭の中は真っ白。
パニックをなだめながら翌朝銀行へ行き担当のM氏に助けを求めると、他人の金だからか(?)あるいはよくあることなのか、落ち着いたもので「あぁ、やられましたね。誰かが郵送途中の小切手を盗んで支払先と金額を書き換えて換金しています」。
早速新しい口座をを開き、自動振り込みのソーシャルセキュリティーには口座の変更を連絡してくれた。
これでひと息ついたが、その他の自動振り込みや支払いは口座の変更を知らせて手続きをせねばならず、頭の痛い事である。物の弾みで自動支払いになっているものもあるが、人間が古いからすべてを切り替えることができず、いまだに小切手を切ることが多い。
保険のおかげで、いずれ金額は戻って来るそうだが、ずっと、詐欺に合うなど他人事だと思っていたのに、今日はわが身である。
昔、母がよく言っていた言葉を思い出した。「いつまでもあると思うな親と金、ないと思うな運と災難」。仕方がないから「運」が来るのを待つことにした。(川口加代子)
