
JRA(米国日系レストラン協会)はこのほど、今年度総会と親睦会をトーレンスの都ハイブリッドホテルで催し、2期目を志願した釘田慎二会長(カツヤ・レストラングループ)の続投を決定した。また、JRAを長年にわたり支援する日本食卸売業者3社を表彰した。

再任のあいさつに立った釘田会長は、今年設立27年目を迎えたJRAへの支援者に感謝を述べ、これまで2年間の活動を振り返った。一昨年、設立25周年の節目に会長に就任した際には、総領事公邸で行われた就任式で和食の普及に尽力する決意を表明した。二世週祭で協会が推薦したJRA女王のセイア・ワタナベさんがファーストプリンセスに輝いたことや、秋の日本食祭りのマグロの解体ショーで自ら日本刀のような長尺の包丁を握り、板前の技を披露し観客を楽しませた。
昨年は、1月に発生したロサンゼルスの大規模山火事の犠牲者と被災者および会員のレストラン業への影響に配慮し、新年会を取りやめた。一方で被災地救済プロジェクトを立ち上げ、6月に日本食のチャリティーディナーを催し、「売り上げ1万4150ドルをカリフォルニア・コミュニティー・ファンデーションに全額寄付することができた」と述べた。さらに、毎春のさくらガーデンズへのすしのケータリング慰問、夏のゴルフ大会、約千人が来場し大盛況に終わった日本食祭りなど年間の活動を紹介した。釘田会長が「日頃からの皆さんの多大な協力に心より感謝したい」と謝意を示すと、会員は卓越したリーダーシップを発揮して協会を牽引した功績に拍手を送った。

会長の任期は通常2年だが、釘田会長は留任を申し出たという。その理由を「志半ばであることと、諸先輩からの後押しもあって、もう1年務めさせていただく」と説明。「より一層皆さんの役に立てるような会を目指し、レストラン業界における日米の架け橋になれるように精進したい」と力強く語った。
JRA名誉会長の室田幸靖総領事が祝辞を述べ、昨年の二つの慶事を紹介した。清水照雄氏(ミヤコオリエンタルフーズ副社長)が2025年度日本食海外普及功労者として農林水産大臣表彰を受賞、上地勝也氏(カツヤ・レストラングループ代表取締役会長)と中田直尚氏(日本食文化振興協会理事長)の2人が2025年日本食普及の親善大使に任命されたことを紹介し、「おめでとうございます」と祝福した。

室田総領事は出席者の日本食業界関係者に向け、「ロサンゼルスでは日本人はマイノリティーなので、ライバル同士であっても団結し、新たなビジネスを切り開いてほしい」と激励し、自身が提唱する「同業者交流」の重要性について強調した。「ライバル企業と一緒に仕事をする『呉越同舟』はなかなか難しいことなので、その旗振りはわれわれ総領事館がやりたい。日本食に携わる皆さんと共に、もうかる良いビジネスを考えていきたい」と力説した。
さらに、日本食ビジネスの新市場として「アリゾナに目を向けてほしい」と提案。昨年10月にロサンゼルス総領事館が管轄するアリゾナ州を訪問し、知事とフェニックス市長に面会したことを紹介した。2人に対し「皆さんが好きで召し上がっている日本食は、日本人が作った本格的な日本食ですか」と尋ね、知事と市長を慌てさせたが、後日には「本気で日本食の普及に力を入れるので、ぜひ協力してほしい」とフェニッ

クス市から連絡があったという。フェニックスには世界最大の半導体受託製造企業である台湾の「TSMC」が工場建設を予定しており、同社のサプライチェーンを支える関連日本企業のアリゾナ進出も見込まれる。「アリゾナに日本食があれば日本人にはありがたく、台湾人も日本食が大好きなので、アリゾナが日本食の新たなフロンティアになることを確信している。これからJETROとしっかり考え、総領事館がたいまつを掲げ、旗を振り、皆さんとは同業者協力で乗り込んでいきたい」と、官民協働に意欲を示した。
親睦会には約100人が出席。食品メーカー、卸問屋、レストラン関係者には同業他社が多く見られたが、総領事の呼びかけ通り「呉越同舟」で親睦を深めた。すしや刺し身などの日本食と、地酒、焼酎、日本のビールなどを賞味しながら談笑し、一緒に写真を撮る光景も見られた。(永田潤)

