1月14日、96歳で亡くなった米国書道研究会会長の生田博子師

 米国書道研究会会長で、茶道表千家教授の生田博子(いくた・ひろこ)師が1月14日、ガーデナ市の自宅で死去した。96歳。葬儀は後日、近親者のみで執り行われる。
 1929年、広島県呉市生まれ。11歳から茶道、華道、書道を学び、日本の伝統文化に親しんだ。51年に広島女学院大学を卒業後、生田観周師と結婚。観周師が日蓮宗の開教師としてワシントン州シアトルに赴任したのに伴い、長男誕生後に渡米した。夫妻の間には一男三女が生まれ、博子さんは現地の日蓮宗婦人会で茶道と華道の指導を始めた。
 58年、夫妻はロサンゼルスに移り、後にガーデナ本法寺別院となる寺院を設立。65年には観周師と共に米国書道研究会および表千家昭和会を創設し、以後、南カリフォルニアを拠点に書道と茶道の普及に力を注いだ。
 書道家として高い評価を受け、日本の産経国際書展で最高位の賞を受賞。産経国際書展や東京誠心社の審査員を務めた他、東洋書人連合では理事として活動した。こうした功績が認められ、2006年に日本政府より旭日単光章を受章。同年、産経高円宮賞も受賞している。07年に観周師が逝去した後は、その遺志を継ぎ、米国書道研究会会長に就任した。
 日系コミュニティーの福祉への貢献と次世代の育成を信条とし、二世週祭や正月行事での実演・展示、小東京のテラサキ武道館での作品展示などを通じて活動を続けた。ディズニー関連事業やロサンゼルス郡立美術館でのプロジェクトの他、映画「ラストサムライ」「硫黄島からの手紙」にも関わり、書道芸術を米国社会に広く紹介した。
 60年以上にわたり、多様な文化的背景を持つ人々に書道と表千家茶道を指導し、その教えを受けた人は数千人に及ぶ。また、南加日系婦人会では会長、副会長を歴任し、長年にわたり地域社会の発展にも尽力した。
 生涯を通じて日米の架け橋として日本の伝統芸術と文化の継承と発展に尽くした人物として、広く尊敬を集めた。

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