

南加の日系社会では6月末から各地の寺院やコミュニティーセンターで毎週のように盆祭りや夏祭りが開かれ、大勢の盆踊りファンが待望の季節を楽しんでいる。そんな中、ウェストコビナ東本願寺で6月27日、盆祭りが催された。「万灯法要」を営んで先祖に感謝するとともに、盆踊りでは参加者が輪になって踊り、56回目となる伝統の祭りを盛り上げた。
同祭は寺の檀家に加えて、敷地と建物を共有するイースト・サンゲーブル日系コミュニティーセンターの会員が毎年多く参加し、祭りを盛り上げている。今年も駐車場と社交ホールに多くの露店が並んだ。チキンテリヤキ、チキン焼きそば、そうめん、かき氷など日本食を中心に、焼き豚丼、チキンサラダ、チリライスなどが販売され、祭りムードが会場を包んだ。

子どもたちは、コイン投げや輪投げ、宝探し、ボール転がし、バスケットボールのシュートチャレンジなど各種ゲームに興じ、手にした賞品のぬいぐるみやお菓子を大切に持ち帰っていた。また、同センターで活動する木目込み人形と盆栽のグループによる展示も行われ、創意工夫を凝らしたさまざまな作品が会場を彩った。
屋外会場では、中央に設けられたやぐらから四方につるされた100を超える万灯(ちょうちん)の下、見義信香開教使が万灯法要を営んだ。見義師はお経を唱えた後、お盆について「亡くなった先祖に思いをはせ、自身とのつながりに改めて感謝する大切な行事。助け合いや、今を生きている人たちとの絆を感じることができる、大切な時間でもある」と説いた。「今年もこのように営むことができるのは、先人がこのお盆を大切に守り、われわれに受け渡してくれたおかげである。われわれもこのお盆を大切にして、次の世代につなげたい。そうした時間と空間を超えたつながりを感じてほしい」と、呼びかけた。

夕闇が迫る中、盆踊りを待ちかねた法被姿、浴衣姿の参加者が、うちわを腰に差してやぐらを取り囲んだ。地元の太鼓グループ「気心太鼓」の勇ましい演奏が会場の気分を高め、踊りが始まった。参加者は3重、4重の輪を作り曲に合わせて踊り、祭りは最高潮に達した。
南加日系社会の盆祭りは日本と異なり、1カ月以上各地で続く夏の人気イベントで、いくつもの祭りを渡り歩く参加者も少なくない。
見義師は「元々は仏教の行事」と説明した上で、「われわれの盆踊りでは北海道や東京、鹿児島、沖縄など各地に伝わる8、9曲の音頭を2回に分けて踊っている」と語る。また、英語の曲を含む新しい曲を数年に一度、取り入れるが、そのたびに各地のコミュニティーに知らせるのが習わしという。「自分のお寺で新しい踊りを覚えると、他でも踊ることができるのが日系社会の特徴」と話し、盆踊りが各コミュニティーをつなげる役目を果たしていることを指摘した。

3歳になる孫娘ケリアちゃんを連れて参加したジャッキー・ヒガシヤマさんは「毎週末、各地の盆祭りに出掛けて踊っている」と話す。「毎年、夏が来るのが待ちきれない。盆祭りは日本の独特の祭りの雰囲気があり、本当に楽しい」。この日は昼にベニス日系コミュニティーセンターの夏祭りに参加したという。このように1日に2カ所を掛け持ちすることも「よくある」と言い、「忙しいが、違う地域の人たちに会うことができる。お寺やコミュニティーセンターによって盆踊りの曲が違い、特徴があって面白い」と語った。
同寺は盆法要・盆祭りの他、毎週日曜の礼拝に加えて親鸞聖人の誕生会や命日、花祭り、春秋の彼岸法要、など、年間を通じてさまざまな仏教行事を営んでいる。


