昨年末のクジに当たった Long Beach Symphony Orchestra のコンサート3回にテノールの Alek Shrader 氏のリサイタル1回、計4回分のチケットで今年前半はなんとなく華やいだ時期を過ごした。
 最初のコンサート第一部は演奏に何となく張りが無く「こんなものかな」と感じた。
 経営難のためオーケストラ団員の人減らしをするという話があり、以後のコンサートをキャンセルするかもしれないとの話があったらしい。そのせいだったのかもしれない。2、3部は元気が出てきたようで安心した。
 後部座席からたくさんの「ブラボー」の声が聞こえてきたが、もしかしたら内情を知っている人たちが「頑張れよ」の意味を込めていたのかもしれない、と後で思った。
 2回目は第2部にジョン・ナカマツ氏のピアノでガーシュイン。オーケストラの演奏もよかった。今シリーズのコンサートはベートーベンがメインテーマで昨年10月からこの6月まで全9交響曲を演奏する。残念ながら全部で4つしか聴けなかったが、初のオーケストラ鑑賞は「大変結構」でした。
 Shrader氏は若手のテノール歌手。説明によると「07年のメトオペラのオーディションに受かった、今メキメキと頭角を表す歌手」。風邪気味でちょっとつらいなと思いながら行ってみたら、声量も感情移入もすばらしく大いに満足。余計なおしゃべりもなく、プログラムには歌詞の英訳もあり、どんな曲かもよく理解できた。ピアノさんの演奏も上出来で楽しめた。
 こうやって月に1回のコンサートもいいが、何といっても拍手が難しい。「ピアニストの指がまだ鍵盤の上にある間は拍手は控えること」「ソナタなどの数楽曲が一つのものは全曲終わってから拍手」などなど、ちょっとした事を後で学んだ。
 拍手一つでこれだ。演奏される曲をもっと理解したら自然と拍手も出てくるのだろう。単に聴くだけじゃなくて、もっと勉強しなければと思った4カ月であった。【徳永憲治】

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