米疾病管理予防センター(CDC)がこのほど発表した最新の調査結果によると、アメリカ人が食事から摂る塩分の量は、パンがハンバーガーやパスタなどよりも2倍以上多く、パン食がもっとも塩分の過剰摂取の原因になっていることが明らかになった。
CDCによると、平均的なアメリカ人が1日にパン食から摂る塩分の量は、全食品から摂取する塩分のおよそ7%を占めているという。パンは味覚では他の食事に比べ極端に塩気が強いとは感じないが、米国人の多くがパンを主食とし、毎日の食卓の中で食べる機会が多く、日常的にたくさん食べることによって、結果的に塩分の過剰摂取につながっているという。
アメリカンフードの中でパンの次に塩分の摂りすぎの原因となっているのが、ハムや薄切りにしたソーセージなどの加工冷肉。3位がピザ、4位は味付けして売られている鶏肉、5位はスープ、次いでハンバーガー、サンドイッチ、チーズ、スパゲッティなどのパスタ料理、ミートローフなどの肉料理、ポテトチップスやプレッツェルなどのスナック菓子が続いた。
「ポテトチップスやプレッツェル、ポップコーンよりもパンの方が塩分の過剰摂取につながるというのは意外な結果だった」とCDCディレクターのトーマス・フリーデン医師は振り返る。
塩分摂取量の目安は1日2300ミリグラム以下(ティースプーン1杯に相当)。高血圧などを患っている人はさらに少ない量が求められている。しかし、現在のアメリカ人の1日平均の塩分摂取量はおよそ3300ミリグラムで、10人に9人が塩分を摂りすぎているという。
塩分の過剰摂取は高血圧や脳卒中、心臓疾患などの原因となるため専門家は食生活の改善を図るよう呼び掛けている。
調査は2007年と08年に児童3000人を含む7200人以上を対象に行われた。