同プログラムはグローバルな視点で地元北海道を考えるきっかけになってほしいとの思いから、1997年に始まり、今年で15回目を迎える。毎年行われる日系夏祭りやそのほかさまざまなイベントでの収益や寄付により資金を捻出し、同会が全額サポートし招待生を迎え入れる。
参加希望者は作文を提出し、審査の後選ばれた2人が招待高校生としてロサンゼルスの地を踏む。
滞在中は親日家で同会の名誉会員でもあるボガード夫妻の自宅でホームステイし、実際のアメリカ人の暮らしも体験できる。
2人には確固たる夢がある。「世界中の困っている人を助ける仕事がしたい」と語る生駒さんは、将来は国連の難民救済活動に携わりたいとの展望がある。
竹中さんの夢は医師になり多くの人を助けることだ。
2人とも多角的な物事の見方を養いたいとの思いから同プログラムへの参加を希望した。
訪問先のひとつUCLAローガン病院では、国際医療チームの一員として東日本大震災後、日本でボランティア活動をした同病院の現役看護師が病院内を案内。「人を助けること」の意義を学ぶとともに、世界最先端の設備を視察した。
エルトロ高校では、実際に現地の高校生に混じって物理やドイツ語、体育などの授業に参加。受け身型の日本の授業風景とは対照的に、手を挙げて積極的に発言し質問する生徒を見て圧倒されたという。
同世代のアメリカ人の生徒との交流を通して、「英語で意志の疎通ができるようになりたい」との新たな目標も見いだし、「大学生になったら、留学制度を利用して絶対にアメリカで勉強したい」と早くも心に決めたようだ。
同会の阿岸会長は「短い期間ではあるけれど、この経験が将来に役立ち、グローバルな視点で人生設計をしていくに違いないと確信している」と述べ、2人の国際人としての今後の成長を温かく見守った。【吉田純子、写真も】