今年はまた、オリンピックイヤーに当たるため、五輪のメダリストなど有力選手が集まり、高レベルの戦いを見せた。男子棒高跳びで沢野大地(富士通)は5メートル72を跳び五輪A標準をマークし2位となった。北京五輪の男子百、二百メートルで銅、昨年の世界陸上で同2種目2位のウォルター・ディックスは、百メートルを9・85秒の世界トップレベルのタイムで優勝し会場を大いに沸かせた。
川本監督のチームの同大会参加は、12、13年前から。兼任する福島大の選手が日本のトップに成長し競争相手が減ったため「刺激を求めて」、毎年参加している。同監督は「地元の福島はまだ寒いので、暖かい気候のこちらで先に仕上げることで、春のサーキットに向けていい調整ができる」と参加の意義を強調する。海外での合宿については「時差の調整はもとより、日本語の通じない環境で他の生活面に置いても国際感覚を磨く点で大切」とし、ロンドン五輪をにらむ。
2大会連続の五輪出場を目指す青木沙弥佳は、ロンドン五輪は四百メートルハードルと千六百メートルリレーの2種目に絞る。今大会は2回目の参加で、米合宿について「福島はこの時期は寒い日が多いので、カラッとした青空の気候でレースができるのは、速く走ろうという気になり、気持ち的にもいい」と述べ、調整は順調に進んだという。だが「まだ、自分のベストの走りではない」とし、「シーズンに向け、やらないといけないことがはっきりと分かった。ハードルのインターバルの走る感覚を身につけるためにもっと練習しなければならない」と課題を挙げた。五輪に向け「まず、出るために頑張って代表にならなければならない。前(北京五輪)は、出場するだけという感じだったので、今度はもっと(他の選手と)肩を並べて走って、予選突破などを狙って頑張っていきたい」と意欲を示した。