ロサンゼルス公共事業局は20日、日米文化会館で開かれた計画文化遺産保存推進委員会(PCPC)の月例ミーティングに参加し、小東京の3街美化事業について説明会を開くとともに、市民の意見に耳を傾けた。
同事業は当初、地域再開発局(CRA)の管轄だったが、困窮する州財政の建て直しによりCRAが今年2月に閉鎖されたのを受け、事業企画全般はロサンゼルス交通局が、またデザインや一部工事は公共事業局街路サービス部がそれぞれ引き継いだ。残務処理をしているCRAは監視管理にあたる。
PCPCの月例ミーティングでは、集まった地元住民らを前に街路サービス部のパトリシア・アライザさんとスコット・シマツさんが事業説明を行った。同事業はアラメダからサンペドロ間の3街の道路や歩道、交差点の整備・美化などを目的としており、予算は約100万ドル。3街の南側は区が異なるため、同工事は主に北側で行われる。
現段階で決定しているのは、アラメダとセントラル、サンペドロの3交差点周辺の歩道拡張、同交差点の横断歩道デザイン、歩道の造園、バス停へ街灯設置などで、今後市民の要望に応じて、ベンチやエクササイズ装置の設置なども検討されるという。
この日会場には、3街に建つ小東京タワーズの住民をはじめ、周辺住民30人以上が駆けつけ、「タワーズの出入り口から向かいのオマー通りにつながる点滅信号付きの横断歩道を設置してほしい」と訴えた。
住民らは長年、同地への横断歩道設置を市に要望している。多くが3街とサンペドロにあるメディカルビルディングに通うが、足腰の弱い高齢者にとってサンペドロの交差点まで歩くのは大変な上、安全に道路を渡るためにも、また法定速度以上で走る車のスピードを落すためにも、横断歩道設置は必要と訴えた。
公共事業局は要望に理解を示しながらも、前回交通局が行った調査では設置するに必要な利用人数が少なすぎるとの結果のため見送られたと述べ、近日中に再調査を行う予定と話した。
住民らは、3年前に300人分の署名を集め市に提出したが実現しなかったと反論。この日あらためて、住民や周辺コミュニティーの署名、市長宛に送った嘆願書のコピーなどを提出。来月のPCPCミーティングに参加する予定の交通局担当者にも、あらためて要望を伝える予定という。【中村良子、写真も】