ハーバー・フリーウエー(#110)で11月から、サンバナディーノ・フリーウエー(#10)では2013年前半に予定しているエクスプレス・レーンズ(Express Lanes)の開通に伴い、ロサンゼルス郡都市圏交通局(メトロ)とカリフォルニア州運輸局はエクスプレス・レーンズ通行時に必要となるセンサー装置「FasTrackR」の提供を開始。ガーデナ市に同装置を入手できるカスタマーセンターが25日、オープンした。
 エクスプレス・レーンズ・プログラムは、ロサンゼルス地域で深刻化する交通渋滞の緩和を図るため、ハーバー・フリーウエーとサンバナディノ・フリーウエーの一定区間で、1人で乗車している車両を対象とした高速道路相乗り(カープール)車線の有料化を図るというもの。これまで1人乗り車両はカープール車線を使用することはできなかったが、今後は「FasTrackR」装置で通行料金を支払うことで使用可能になる。

エクスプレス車線用のセンサー装置「FasTrackR」。乗車人数に合わせてスイッチを切り替える
 「FasTrackR」には乗車人数を表すスイッチがついており、カープール車線を使用する際は、人数に合わせてスイッチを切り替える仕組みになっている。同装置はフロントガラスの左下もしくはバックミラーの後ろに付けることが義務づけられ、センサーがそれを感知し、乗車人数を認識する。
 こうしたカープール車線の一定区間有料化はあくまでも1人乗りの車両が対象で、ハーバー・フリーウエーは2人以上、サンバナディノ・フリーウエーでは3人以上が乗車している車両は無料で走行できる。その場合はカープール車線使用前に乗車人数に合わせてスイッチを切り替える必要がある。
 料金は1マイルにつき25セントから1・40ドルの設定になっており、渋滞緩和を念頭に混み具合によって変動する。今後カリフォルニア・ハイウエー・パトロール(CHP)と、各所に設置されている監視カメラが、運転者が規制を守っているかどうかを取り締まる。
 カスタマーセンターで「FasTrackR」のアカウントを開設して申し込みを行い、同装置を40ドルで入手できる。入手希望者はオンライン(www.metroexpresslanes.net)か電話511で申し込みができるほか、一時的にエルモンテ市にもカスタマーセンター(3501 Santa Ana Ave, El Monte)が設置されており、そこでも申し込み、入手が可能。また、オートクラブのトリプルA(AAA)は会員に対し20%の割引きを実施、会員は32ドルで入手できる。申し込みは www.AAA.com/metroexpresslanes で。
 有料区間は、ハーバー・フリーウエーの場合、メトロのシルバーラインの駅やバス停留所が集まるガーデナ市のハーバー・ゲートウエー・トランジットセンター(182ストリートと同フリーウエー出入口の交差付近)と、ロサンゼルス・ダウンタウン近くのアダムブルバードとの間のおよそ11マイル。
 サンバナディノ・フリーウエーの場合は、ロサンゼルス・ダウンタウンにあるユニオン駅からエルモンテ近郊のサンゲーブルリバー・フリーウエー(#605)までの14マイル。
 連邦政府から2億1000万ドルの助成金を受け、約2億9000万ドルを投じてカープール車線有料化計画は実現した。今後1年間の試行期間を設け、交通網の専門家がフリーウエーの走行スピードの向上や、渋滞緩和などが現れたかどうかを検証する。
 カープール車線の有料化は、ロサンゼルス郡では初めての試み。こうした有料道路は多くの大都市が設けており、オレンジ郡でもアーテジア・フリーウエー(#91)の一部区間で有料化が行われている。「FasTrackR」はアーテジア・フリーウエーのカープール車線を通行する際にも利用できる。
 メトロによると、同プログラムの実施により、1年間でおよそ2000万ドルの歳入が見込めるとしており、これらはおもに交通網の改善に使われるという。
ガーデナ市にあるカスタマーセンター(500 W. 190th St)の営業時間は月曜から金曜までが午前8時から午後6時まで。土曜は午前9時から午後1時まで。日曜は休み。
 詳細はメトロのホームページwww.metro.netで。

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