奨学金実行委員長のノリコ・トクヤマ・チャン(左端から)、奨学金受賞者、呉屋会長(右から2人目)、同委員会アドバイザーのジョー・ヤマガワさん(右端)
 南加地区で最大規模の会員数を誇る北米沖縄県人会(呉屋君子会長)が8日、サウスエルモンテ市のウイッティアナロウ・レクリエーションパークで毎年恒例のサマーピクニックを開催した。およそ400人の会員家族が集う中、琉球音楽や舞踊などのエンターテインメントや、運動会も催され、カリフォルニアの青空の下、みなが「ウチナーンチュ」精神を再確認し、親睦を深めた。
玉入れを楽しむこどもたち
 ピクニックのために、朝7時からボランティアスタッフが移動式ステージやテントの設置を行ったほか、およそ350人分の弁当も準備。
来賓を代表してあいさつに立った南加日商の竹花晴夫会頭と県人会協議会の野田健一副会長は、同イベントのために朝早くから会場設営に携わったボランティアスタッフの協力をねぎらうとともに、同県人会が米国で琉球文化・芸能を幅広く伝えていることにふれ、「これからも伝統を米国の地で継承していってください」と呼び掛けた。
 あいさつに立った呉屋会長は、「奨学金授与式をはじめ、ゲームなどのエンターテインメントも企画しています。今日一日を思いっきり楽しんでください」とピクニックの開幕を知らせた。
 同県人会は大学進学を控えた学生に奨学金制度を設けており、毎年ピクニックで授与式が行われている。
 今年の受賞者はルナ・アカホシさん=サンゲーブル高校卒・UCサンディエゴ校(薬理学専攻)、キョウ・ティア・ヨヘナさん=サンティアゴ高校卒・UCバークレー校(専攻未定)、ローレン・ユキコ・ビアノエバさん=エルセグンド高校卒・レッドランズ大学(ビジネス専攻)、エミリー・ハルミ・ナカマさん=ウォルナット高校卒・UCアーバイン校(薬学専攻)、クリスティ・トミコ・ナカシマさん=トーレンス高校卒・CSUロングビーチ校(ピアノ・パフォーマンス専攻)、リッチー・ケンジ・タイラさん=ウォルナット高校卒・マウントサンアントニオ・カレッジ(哲学か心理学専攻)、ニコラス・アワクニさん=トーレンス高校卒・エルカミノ・カレッジ(生物学専攻)、ジョー・トモ・スナベさん=サウスパサデナ高校卒・カリフォルニア州立ポリテクニック大学サンルイスオビスポ校(コンピューター・サイエンス専攻)の8人。
芸能部メンバーによる琉球民謡演奏
 受賞者を代表してアカホシさんがあいさつに立ち、加州の州立大学で実施されている予算削減の影響で、授業料が引き上げられている今、「同県人会の奨学金制度は私たちの大学生活に大変役に立ちます。みなそれぞれの大学で頑張っていきたいです」と、同県人会からのサポートに感謝の言葉を述べた。
 沖縄民謡が流れ、時折心地よい風が吹く中、昼食を食べたあとは待ちに待ったエンターテインメントの時間。同県人会が誇る芸能部がこの日のために練習を重ねた琉球舞踊や民謡をはじめ太鼓演奏、フラダンスなどを披露した。
沖縄県出身グループBEGINの「島人ぬ宝」に合わせてフラダンスを披露する手島愛さん
 
 子どもたちのためのゲーム大会や運動会も行われ、ちびっこたちはかけっこや玉入れを思いきり楽しんだ。
 この日は沖縄や日系2世に関する著書があるノンフィクション作家・下嶋哲朗さんの姿もあった。日系人俳優のジョージ・タケイを主役に迎え、7年前に著書「海からぶたがやってきた」のロサンゼルス舞台公演が行われ、その時以来の訪米となった。
 沖縄には1972年に家族で移住した経緯があり、「沖縄の文化芸能のブームは一時的なものではなく、現在では日本文化として定着しつつある。ロサンゼルスでも継承しようとする活動があることは素晴らしいことである」と語り、会員らと交流を楽しんだ。
 ピクニックの最後には参加者全員による盆踊りも行われ、みながはっぴや浴衣を身にまとい、琉球文化を満喫できる1日となった。【吉田純子、写真も】

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