記念すべきLA大会は、日本から日本国風流詩吟吟舞会3代目宗家・雨宮國風、森國広理事長を迎え、米国国風流詩吟吟舞同盟の豊田國鋒会長らが出席するなか、盛大に行われた。
同会流祖・雨宮國風が1937年に初めて訪米し、米国で暮らす日本人、日系人に詩吟を教え始めてから75年が経った。以来、当地の吟士たちは日本国風流の伝統を継承すべく日々稽古に励み、日本の伝統芸能である吟詠吟舞を伝え守り抜いてきた。
大会は同会流祖が初めて米国を訪れた際に作った「日本国風流の詩」を全員で吟じ開幕。この詩は第二次世界大戦が始まり、戦時転住所に入所していた日系人吟士たちの心の支えとなり、今では同会の詩として日本でも必ず吟じられる詩となった。
会員吟詠はロサンゼルス、シアトル、カナダの吟士たちから行われ、吟友たちが見守る中、みなが日頃の練習の成果を発揮。同会元理事長で数多くの詩を作ってきた高橋輝一郎氏が昨年発生した東日本大震災を受け、犠牲者を偲び作った「災後早春」が吟じられると、会員一同が復興への願いをさらに強くしたようであった。
昼食の後行われた式典であいさつに立った3代目宗家は、「米国、カナダをはじめ日本の会員すべてが国風の絆『国風は不滅なり』の気持ちをさらに強め、交流を深めていってほしい」と述べ、無事大会を迎えられたことを喜んだ。
森理事長は会員の高齢化が進む中で、「会員増強」、「後継者の育成」、「芸力の向上」の三大目標を達成するために努力していくことを誓うとともに、「同会の詩吟が北米の会員の心の支えとして息づき、みなが発展に貢献してきたことを誇りに思う」と語り、会員のこれまでの協力に感謝の言葉を述べた。
大会は日本国風流会員による吟舞・剣舞、南加詩吟連盟からの来賓代表者による吟詠、総本部役員・地区本部代表吟詠などが続き、古今東西の詩歌に多く詠まれてきた花である菊、桜、松竹梅を題材に、日本の姿を表した漢詩と和歌を組み合わせた構成吟「日本の風姿・花をたずねて」が壮大な舞とともに吟じられ、大会を大いに盛り上げた。【吉田純子、写真も】