標識の完成式典に参加した関係者らとデザイナーのロメロさん(左から5人目)とウイザー市議(右から7人目)
 ロサンゼルス市の地域再開発事業局(CRA)が行っている小東京の再開発事業のひとつで、小東京の電柱に設置され、日本文化をモチーフとした標識の完成式典が4日、小東京のジャパニーズ・ビレッジ・プラザで行われた。LA市のホセ・ウイザー市議をはじめ、標識のデザインを手掛けたソニア・ロメロさんらが出席する中、街を彩る標識の完成を祝うとともに、地域のますますの発展を願った。
市庁舎近くの電柱に設置されている「こけし」の標識
 CRAが行う同事業は1969年から始まり、今回のプロジェクトがその最後となる。
 標識のデザインは「招き猫」、「こけし」、「だるま」の3種類で、小東京の1街、2街、3街、サンペドロ通り、南セントラル通り、ロサンゼルス通りの電柱に掲げられている。
 デザイナーのロメロさんは、LA在住のアーティストで色鮮やかな色彩を用いた版画作品を中心に、これまでにも駅やプールなど公共施設の壁画も手掛けてきた。
 祖母が世界中の民芸作品の収集家だったことから、幼い頃から日本の伝統工芸に親しみを覚えていたというロメロさんは「日本の人々に古くから親しまれているキャラクターをデザインに起用したかった」と語る。
 「招き猫」は商売繁盛、「こけし」は日本を代表する伝統工芸、「だるま」は魔除けや何度も起き上がれる縁起物のほか、仏教概念では「保つもの」という意味があり、多くのビジネスが集まる小東京でこの3つのキャラクターは日本文化を象徴するだけでなく、小東京全体の繁栄を願う思いも込められている。
 幼い頃、羅府新報社で新聞配達のアルバイトをし、小東京に思い入れのあるウイザー市議は「3種類の標識は日本人の心に故郷日本を思い起こさせるだけでなく、訪れた人すべてに受け入れられるデザインである」と述べるとともに、「それぞれの意味通り、小東京の将来の発展にもつながっていくだろう」と力を込めた。【吉田純子、写真も】

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1 Comment

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  1. ともすれば最近日本人街らしい影が怪しくなって来てる小東京 良いアイデアだと思います。
    これからも日系一世の方たちが作るあげた街を日本らしい雰囲気を保って欲しいと思います。