2015年の完成を目指す新校舎の予想図
 ウエストロサンゼルス地域で創立87年を迎えた「ソーテル日本学院」(Japanese Institute of
Sawtelle =JIS)は生徒数増加に対応した校舎拡張の改築計画を進め、このほど具体的な計画内容が発表された。2015年の完成を目指し現在、寄付活動を行っている。
同学院はオリンピック通りとソーテル通りの交差点から1ブロック北にあり、1925年の創立以来、日本語学校、地域の文化活動や交流の場としての役目を果たしてきた。第2次大戦直後は、収容所からの帰還者のホステルとして利用されたこともある歴史のある建物。
現在は週末の日本語クラスのほか、平日は柔道、剣道、ボーイスカウト、教会、シニアクラブなど約10団体が利用しコミュニティーセンターとしての役割も大きい。
日本語学校には3歳から18歳まで約150人が在籍しているが、既存の4教室では生徒を収容しきれないのが実情。講堂はもとより、オリンピック通りをはさんで半マイル離れたテラサキ・ファウンデーションの会議室を借りて上級日本語クラスを開いている。生徒の安全を確保し、語学力の異なる生徒が同じ校舎内で交流するためにも、校舎拡張への声が高まったという。
同学院長の高橋美和さんによると、年々、日本語学校への入学希望者は増加傾向にあり、一時、受け入れを見合わせたこともあったという。現在の校舎は1万8000平方フィートの敷地に平屋建て延べ床面積約8300平方フィートあるが、計画では、校舎の一部をエレベーター付きの2階建てにし、9教室に増やし、約5000平方フィートを拡張する。大阪出身の建築家玉置公一さんがデザインを手がけた。
改築への要望は5年ほど前から高まり、当初は地下を掘削するなど大規模工事を伴う計画を検討していたが、工費が1000万ドル以上となる見込みだったため、既存の建物を生かした現在の計画に練り直し、昨年10月末にロサンゼルス市に「コンディショナルユーズパーミット」(CUP)を申請し、現在、その認可を待っているところだという。
学院関係者は市のゴーサインを待って、2月ごろから本格的な資金集めを始める予定で、その第1弾として、文化祭の席上で約300人の父兄や生徒に対し、計画が発表された。同学院にボーイスカウトメンバーとして通ったエバン・サイトウさんが父兄や生徒に寄付活動への協力を呼びかけ、廊下や壁、学院そのものに寄付者の名前を冠することなども検討しており「日本文化を残す施設として、遺産などの寄付先としてJISを考慮してほしい」などと訴えた。また、コーニス通り沿いに約20フィート幅のセットバック部分を設け、そこに植物を植える計画も発表され、1986年に同学院の組織改革に携わったジャック・フジモトさんが「高層ビルが建ち並ぶソーテルではなく、緑豊かなソーテルにしよう」と呼びかけた。また期間限定で、今月31日までに1500ドル以上の寄付をした父兄には、iPadミニを生徒に授与するなどの特典も紹介された。
今後、市議会、プランニングコミッション、周辺住民の了解を得て、さらに資金が集まれば、2015年に改築工事を完成させたいとしている。
寄付の送付先は、次の通り―
Japanese Institute of Sawtelle
2110 Cornith Ave.
Los Angeles, CA 90025
詳細は学園ウエブサイト―
http:/schoolinfo.sawtellegakuin.org

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