集団でダンスを踊る「ハーレム・シェイク」が今世界中で話題だ。この「ハーレム・シェイク」はバウアーというDJの同名の曲に合わせ、最初1人が踊り始めると、周りにいた人たちも突然一緒に踊りだすというもの。急速な勢いで広まり、インターネットの動画サイトには約10万件以上が投稿され、再生回数は4億回を上回り今や社会現象となっている。映像はわずか30秒と短いが、その間出演者は踊り狂う。ただメッセージ性があるのかどうかは不明だ。
 動画はそれぞれのグループが変装などして趣向を凝らしているが、少々過激な演出をするグループもあり、奇抜な服装や撮影場所をめぐり波紋が広がっている。
 先月には空の上でも行われ問題となった。これはコロラドカレッジの学生が飛行中の機内で撮影したもので、客室乗務員とほかの乗客からの了承を得て行ったとしているが、事態を重くみた米連邦航空局は調査を開始。航空会社側は撮影時、シートベルト着用ランプは消えていたと主張しているが、突然乱気流にでも突入したら大惨事につながりかねない。
 今では誰でも気軽に動画サイトに映像を投稿し、エンターテインメントを見るだけでなく発信することもできるようになった。さらにフェイスブックなど人々が簡単につながり合うツールの発達により、他者と瞬時に共鳴し合うこともできる。数年前にはネットで募った参加者が広場や駅、空港などに集合して突然踊りだし、終わると一斉に去っていく「フラッシュモブ」が大流行した。中にはプロポーズの演出に使用されたこともあり、感動を呼んだ。これらの映像も動画サイトに投稿された。
 情報と娯楽に溢れた現代だからこそ、人々は日常の中に突如現れる驚きや非日常を追い求めているのかもしれない。ソーシャルメディアの普及とともに、かつてはスクリーンの中だけだった世界が、今では誰でも自分自身にスポットライトを当てることができる時代になった。次の主役はあなたかもしれませんね。【吉田純子】

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